針治療をすすめられたんだけど脇汗とかに効果は期待できる?

針治療による多汗症の効果

悩みの程度により治療を選択することができる

脇汗で悩む方は多く、汗染みを気にして期待洋服を着ることができなかったり、仕事のために暑くてもスーツを着なければいけないために脇汗がたくさん出てしまうなど、夏の時期に限らず気になる問題ではないでしょうか。

自分で脇汗を抑える方法を試しても根本的に悩みが解消されることは少ないのではないでしょうか。

つまり、脇汗を抑える予防や脇汗をかいた時の対処はできるものの一時的な対応のみに留まってしまうために、常に気にしていなければいけないという悩みを解消するまでには至ってないのです。

ご存知の方は少ないと思いますが、2012年より病院での脇汗治療が保険適用となりました。
健康保険が適用できる治療かどうかの判断基準とは?保険が使えないのは何故なのか

脇汗で悩む方が多いということが想像できるのではないでしょうか。

汗をかきやすい体質だから、と諦めている方には朗報ですよね。

しかし、保険適用となるのは「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」と診断された場合です。

病院に診察に行く前にセルフチェックをしてみましょう。

チェックリスト
  1. 脇汗により日常生活に支障が生じている
  2. 両脇におなじくらいの汗をかく
  3. 週1回以上、たくさんの汗をかく
  4. 脇汗は25歳以前から気になっている
  5. 家族や身内に同じような症状の人がいる
  6. 睡眠時は脇汗が多くない

以上の項目のうち2つ以上当てはまる方で、半年以上もひどい脇汗に悩んでいる方は「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」の可能性が疑われます。

やなさん

主なポイントは、生活にどのくらいの支障が出ているかという視点で判断されます。

病院での治療は針治療からではなく、塗り薬などが処方され経過をみます。

これにより7~8割の方が改善するのですが、改善できない場合は次の処置へと移行することになります。

以前であれば汗腺の除去などの手術などの針治療をおこなっていましたが、最近ではボトックス注射での治療法が取り入れられています。

ボトックス注射は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

美容整形などでシワ取りをするための注射で、世界80か国で認可されている治療法です。

わきの下に注射することで汗腺への刺激をブロックし、発汗を抑えることができます。

針治療と聞くと副作用も気になると思いますが、こちらの副作用はほとんどなく、極細い針を使用するため、痛みもほとんど感じられないので安心しておこなうことのできる治療法だといわれています。

ボトックス注射の治療費は保険適用で診察費+約3万円。

1回の注射にかかる時間は5~10分程度で効果は4~9カ月ほどなので、年に1~2回の治療で脇汗を抑えることができれば良いのではないでしょうか。

針治療などの脇汗治療とは

病院での脇汗治療については、最近は手術以外で痛みも副作用もほとんどないものもあります。

これから病院の診察に行く方や塗り薬で効果が出なかった方にどのような治療法があるか見て参考にしていただければと思います。

2012年より重度の「腋窩多汗症」(えきかたかんしょう)の方に対して治療が保険適用となりました。

基本的に初めは塗り薬での治療をするのですが、効果が現れない場合はボツリヌス療法と呼ばれるわきの下に注射する方法である針治療をおこないます。

ボツリヌス療法は2012年11月から保険適用となり、2015年の診療ガイドラインでも推奨される治療法なので安心して治療をおこなうことができるのではないでしょうか。

ボツリヌス療法では交感神経から汗腺への刺激を止めて発汗を抑えることができます。

効果は個人差がありますが、半年ほど持続するので1年に2回くらいの治療で済みます。

多くの方は年に1回、夏の時期の前に注射を接種して、夏の時期の脇汗の悩みを解消しているとのことです。

「腋窩多汗症」の方の治療での効果を見ると、塗り薬でおよそ7割の方に効果が現れ、重度の方でも「ボツリヌス療法」では9割の方に改善が見られました。

ボツリヌス療法とは注射針を用いる針治療です。

痛みもほとんどなく病院に通院する回数も少ないこと、手術による傷跡が残る不安や副作用の心配をすることなく治療できるので、安心して治療に臨めると思います。

針治療といえば注射ですが、それ以外で保険が適用される治療方法には手術が挙げられます。

「皮膚切除」と呼ばれる有毛部の皮膚を切除して縮めるという外科的な手術や、わきの下の皮膚を切開して汗腺を切除するという一般的な手術方法があります。

わきの下の汗腺の80%を切除できるので、効果が期待できますが、傷跡や副作用を心配される方はいきなり手術治療をするのではなく、リスクの少ない方法での治療をおすすめします。

体の一部に多量の汗がでる「局所性多汗症」

また、脇汗以外で体の一部に多量の汗が出ることを「局所性多汗症」と呼びますが、顔や頭、手のひらや足の裏などに起こるものです。

中でも手のひらは仕事において支障が出ることが多く、人と接する接客業や営業職の場合は相手に不快感を与えてしまう場合や自身への過度なストレスになるので、症状がある方は早めに治療をされると良いでしょう。

塗り薬と「イオントフォレーシス」という微弱の電流を流している水に汗の出る部分を浸すという治療法で週1回の通院が必要になります。

汗を抑える治療法は様々ですので、どの治療から始めるかは医師と相談の上で決めるようにしましょう。

多汗症は針治療で改善できるのか

多汗症は針治療で改善できる?

多汗症と汗っかきの違いはあるのでしょうか。

自分が多量に汗をかくことで支障があるかどうかといったところでしょうか。

仕事や生活に影響が出て困っている、などの場合は多汗症として捉えることができます。

多汗症の原因の多くはストレスによるものが大きいのですが、病気により多量の汗をかくこともあります。

ですので、多汗症の原因が何かを知って、それに応じた改善や針治療や手術などをすることで、適切に早くお悩みを解消するようにしましょう。

ストレスや緊張などの精神的要因で起こる多汗症については、交感神経が働き、汗腺の働きを活発にすることによって多汗症になることがあります。

それを防ぐためには、普段からストレスを解消したりして心を落ち着かせることが必要です。

病気によって多汗症になることもあります。

例えば、代謝異常や循環器系の疾患がある方は全身性多汗症になることがあります。

つまり、多汗症になると病気の疑いも出てくるので、軽視せず医師に相談することをおすすめします。

また、ホルモンバランスの乱れにより多汗症になることがあります。

ホルモンの分泌のコントロールは交感神経も同時におこなわれているために、ホルモンバランスが崩れると多汗症になるというメカニズムです。

特に女性の方は月経や妊娠時、更年期にホルモンバランスが乱れるので、注意が必要です。

多くの方に当てはまる原因は食生活にあるとされています。

辛い物や熱い食べ物を摂りすぎると味覚性多汗症になることがあります。

カフェインを多く含むコーヒーなどの飲み物の過剰摂取やタバコに含まれるニコチンも発汗を促す作用があるため多汗症になりやすいので、生活習慣を見直しされることをお勧めします。

以上の原因から改善に取り組んでみても効果がない場合は医師に相談して、治療を進めていくことが必要となるでしょう。

治療と言っても、すぐに手術をするというのではなく、塗り薬から始め、効果が出ればそれを続けることもできますし、通院が難しい場合や根本から処置をして多汗症の悩みを解消したい場合は針治療「ボツリヌス療法」を行うか手術してある程度の汗腺を除去する方法もあります。

汗腺を取り除けば治療部分の手当てのみで悩みを解消できるのは良いですが、副作用や傷口の跡が心配な方は塗り薬や針治療(注射)で年に何回か通院するなど様子を見て、医師の判断を仰ぎながら進めていかれると良いでしょう。

多汗症は原因も様々で生活への支障がどのくらいあるのかによっても変わりますので、治療法の選択には気を付けることが大切です。

針治療などの多汗症治療の種類

多汗症と聞くと、汗っかきの人だと判断される方が多いと思いますが、重度の多汗症になると、生活や仕事が通常とおりできないレベルだということを知っていただきたいと思います。

体質なども関係しますが、ストレスや食生活の要因もありますので、多汗症の治療には十分に自分の原因を知ることで針治療などの自分に合った適切な治療に進まれる方が良いでしょう。

多汗症の診断には3つの段階に分けられますので、説明していきたいと思います。

グレード1

汗で手が湿っているが、よく見ないとわからない程度です。

グレード2

手の汗ばみや水滴がはっきり見える状態を表します。

グレード3

手のひらの汗の水滴がしたたり落ちる状態です。

グレード1の場合は塗り薬で効果が出ることが多いので、外科手術のような治療までは必要ないとされますが、グレード2や3の方は手術を行うという選択肢もあります。

しかし、いきなり手術を行うわけではなく多汗症の重度や個人差もありますが、塗り薬での治療から始めて効果を見ていくことになります。

塗り薬を処方してもらうことで全体の7~8割は改善するのですが、効果が出ない方には次の治療方法として針治療「ボツリヌス療法」と呼ばれる薬剤を注射で注入して効果を見るものです。

注射ですので、ほとんど痛みをかんじることなく、1回の注射で平均半年くらい効果が持続するので、何度も通院することができない方や手術では傷跡や副作用の心配があるために治療を迷われている方には特にお勧めの治療法ではないでしょうか。

1年に2回の注射で脇汗を気にせず過ごすことができますが、特に夏が近くなると、この注射をする方が多くいらっしゃるようです。

汗や汗の臭いを気にすることなく過ごしたいと思う方には針治療「ボツリヌス療法」や根本から汗腺を除去したいと思われる方は皮膚を切開して汗腺や交感神経を切除する方法もあります。

どのような治療でも、効果を期待するだけではなくリスクをしっかり確認して、安心して治療に臨むことが重要です。

最後に、病気の疾患には遺伝的要素が大きく関係していますが、それと同じように生活習慣における要因も多くあります。

食生活を整えること、睡眠を十分に取って、疲れを残さないことがストレスに強い心身を作るのではないでしょうか。

毎日の生活の見直しをすることで、体を健康に保ち、様々な疾患を引き起こさないようにしたいですね。

針治療をしなくても脇汗を改善できる方法とは

針治療などの医療による治療でなくても自分でできる脇汗のケアはあるのか、効果も併せて見ていきましょう。

夏が近くなると気温の上昇により汗をかきやすくなりますよね。

すると気になるのが脇汗の汗染みや臭いではないでしょうか。

汗の量や臭いには個人差があるのですが、その原因が体質などではない要因があることをご存知でしょうか。

ワキガに該当する人は10~15%と低く、欧米諸国の70~90%と比べるととても少ないことが分かります。

この結果には食生活が大きく関わっているからです。

日本では和食が基本ですが、野菜が中心で豆類などの発酵食品、魚などの良質なたんぱく質を多く摂取するために汗腺を刺激することが少ないので、多量の汗をかいたり、汗の臭いを抑える働きがあります。

一方で欧米では肉類や脂肪分の多い食品を摂取する食事が多いために、汗腺の働きを刺激したり、脂肪分により臭いがきつくなるのです。

食生活を見直し、肉類中心や脂肪分の多い食品ではなく、バランス良く様々な食品を摂るように心がけましょう。

一日3食の食事を和食中心に変えることで、脇汗の量や汗の臭いの改善だけではなく、疲れにくくなったりイライラすることもなくなり、ストレスからも解消されるのですぐにでも始められると良いでしょう。

脇汗がひどくなり多汗症と診断されるくらいに重症になってしまうと、注射などの針治療や手術による治療が必要になってからでは遅いので、自分でできる改改善方法を取り入れて早めに対処できると良いですね。

入浴も暑い時期はシャワーだけで済ませる方も多いとは思いますが、しっかりと湯舟に浸かって汗を出して汗腺を鍛えることが大切です。

汗腺が弱まっていると嫌な臭いを発する原因にもなるからです。

最近は気温の上昇もあり、クーラーの効いた部屋で仕事をしたり、一日中つけっ放しの人もいるのかもしれませんが、汗を出さない生活環境に入る方は特に汗をかく習慣を身に付けましょう。

そして一日の終わりは早めに就寝して体の疲れを取るようにしましょう。

人間は昼は体温が上がり、夜は下がるというリズムを保って健康を維持しているのです。

もし入浴後にクーラーの効いた部屋にいると寝つきが悪くなるのは皮膚の温度が低くなっても脳内温度が高い状態だからです。

寝つきが悪くなることで熟睡できず、翌朝すっきり目覚めることができないままで翌日過ごすことになりますので、良い汗をかいて体温調節機能を鍛えることで、針治療を行わなくても脇汗に悩まされない生活を送れるように心がけましょう。