原因が解明されていない多汗症もある
急に脇汗が大量に出てくる…これってまさか病気?
電車の中で吊革につかまる時や、高いところにある資料を取る時など脇を見せるのが恥ずかしいくらい大量に出てくる脇汗。
急に出てくる大量の脇汗の原因は何なのか調べてみました。
それほど暑くないのに急に出てくる脇汗の原因のひとつは緊張によるストレスです。
精神性発汗というもので、緊張を感じた時に、どっと急に汗が出てきます。
脇の下には汗腺が多いので、特に脇の下に大量の汗をかきます。
- スピーチをするために人前に出て注目を浴びる
- プレゼンを行う
- アルバイトや仕事の面接を受ける
- あるいは試合に出る
など大切な場面で、極度に緊張すると汗が出てきます。
告白や、初めてのデートのときに汗が大量に出て困ったという経験をした人も…。
緊張すると急に脇汗が出てくるのは、予期不安があるからです。
過去にも緊張する場面で大量の汗をかいた経験があると「また汗をかくかもしれない」という予期不安が潜在意識の中で働きます。
意識していないつもりでも、潜在的な意識の中で感じる不安なので自分でコントロールできません。
脇の下だけでなく、手のひら、足の裏などにも汗をかきます。
もう一つの原因は、腋窩多汗症(えきかたかんしょう)という病気です。
たいていは思春期または幼少期に発症します。
症状が重くなると、脇の下に滴るほどの汗をかきます。
手のひらや足の裏に出ることもあって彼氏と手をつなぐのが恥ずかしいと悩む女子も。
なぜ、腋窩多汗症を発症するのか根本的な原因は医学の進んだ現代でも解明されていません。
原因が分からない多汗症のことを原発性局所多汗症といいます。
常用している薬、なんらかの病気、外傷や腫瘍などの神経障害などが原因のこともあります。
このように原因が分かっている多汗症は局所性多汗症といいます。
腋窩多汗症かどうかは、
- 両脇対象に同じくらい汗をかくか?
- 日常生活に支障が出るほど大量に汗をかくか?
- 睡眠中は汗をかかないか?
- 週一回以上の頻度で脇汗をかくか?
といったチェック項目で自分でもチェックできますよ。
- 汗が目立つのでグレーや薄いブルーなど汗が目立つ色の服が着られなくなったり
- 恋人や友人に気づかれるのではないかと考えすぎて距離を置いたり
- 汗を気にして仕事が手につかなくなって行動が制限されたり
人間関係や仕事にも影響を及ぶことが多くあります。

他人からすればたかが脇汗と思うでしょうが、当人にとっては深刻な問題であるという事が伝わりづらい。
急にかく脇汗の対処法は?
汗をかくのは新陳代謝が良い証拠ですよね。
でも、多汗症や緊張が原因で急に大量の脇汗をかくと、人目が気になってしまって友人や恋人と距離をおいてしまうことも…。
急に大量の汗をかいてしまったら、どんなふうに対処すればよいのでしょうか。
そもそも汗をかくのは、皮膚で汗が蒸発して体温を下げようとする体の正常な働きなので、蒸発する前に拭き取ってしまうと体の正常な機能の妨げになります。
でも、それほど暑くもないのに急にかく大量の汗は臭いの原因になるし、汗ジミにもなるのでイヤですよね。
でも大丈夫。
きちんと対処法を知っておけば心配ありません。
制汗剤を使うのは気持ちの安定のため
制汗剤を使うのは汗の量を制御するのに有効です。
急に大量の脇汗をかく原因の一つは、「汗をかいたらどうしよう」と無意識のうちに緊張してしまう予期不安ですから、制汗剤を使うことで安心できる一種のお守りのような存在になります。
「制汗剤を使っているから大丈夫」と思い込むことができれば、精神的な理由で汗をかいている人は改善する可能性があります。
使用するのは市販の制汗剤で十分ですし、皮膚科で制汗剤を処方してもらうこともできます。
使用方法を守って適度に使ってくださいね。
汗をかきたくないと思うほど大量の汗がでる
心理的要因で汗をかいてしまう場合、開き直ってしまうことも案外有効ですよ。
- 汗をかいたらどうしよう
- 恥ずかしい
と思えば思うほど、気持ちが焦ってしまい余計に汗は出てきます。
眠ろうとがんばればがんばるほど眠れなくなる原理と同じです。
難しいかもしれませんが、自分で意識して「汗をかいても大丈夫」「たかが汗なんだから気にしない」と思い込むのです。
あえて開き直ることで緊張をほぐすという心理療法です。
自分だけで行うのは難しいかもしれませんが、自分に強く思い込ませることが大切です。
何度もあきらめずにチャレンジしていると、そのうち本当に予期不安が取り除かれて汗が前ほどでなくなっていることに気づくはずです。
悩むくらいなら病院で受診するのがおすすめ
乾いたハンカチで拭く、汗拭きシートを使う、汗取りパッドを使うというのもある程度は効果があります。
ですが、それでも汗が気になるなら、皮膚科や形成外科を受診しましょう。
ボツリヌス菌を脇の下の皮膚に注射して、発汗を促進させる神経物質の伝達を抑制するボトックス治療を受けると、1年に1、2回注射を打つだけで汗をかく量が減ります。
予期不安が強い人の場合はたった1回注射するだけでも脇汗が止まることがあります。
本当に悩んでいる人は、早めに受診するようにおすすめします。
急に脇汗をかいたらどうする?シーン別の対策法とは
暑い日や激しいスポーツした後などに限らず、急に大量の脇汗をかくときどんなふうに対処すればよいのか、シーン別に対策方法をまとめてみました。
TPOに合わせて対策してくださいね。
- 朝起きた時の汗
朝起きた時に大量の寝汗をかいているなら、出勤前や通学前にシャワーを浴びるのが一番ですが、そんな時間がないというときは、脇汗シートを使って汗をふいてスッキリさせましょう。
汗拭きシートがなければ、蒸しタオルを使ってもOK。
やなさんタオルを濡らして軽く絞ったら、絞ったままの形でレンジに入れ30秒くらい温めれば蒸しタオルの完成です。
足りなければ10秒ずつ追加して温めてください。
レンジから出して、パンパンはたき軽く冷まして脇を拭けばさっぱりします。
ティーツリーオイルやユーカリなど、清涼感があって殺菌効果もあるアロマオイルをタオルに1滴たらして使うと、よりさっぱりし、殺菌効果で汗と雑菌が混ざり合って臭うのを防げます。
- 満員電車やバスで急に噴き出る汗
通勤、通学の満員電車やバスの中で、急に汗をかいてしまうのが気になるという人は、出かける前にウォータータイプの制汗剤を使うのがおすすめですよ。
ウォータータイプには、
- 汗を抑制するタイプ
- 汗の臭いを抑えるタイプ
がありますが、急に大量の汗をかいてしまう人は汗そのものを抑制するタイプを選んでくださいね。制汗成分とパウダーの両方が配合されたものがおすすめ。
お肌がサラサラになるので快適です。
- 仕事中に出る大量の汗
仕事中に汗をかくのが気になる場合は、ロールオンタイプの制汗剤を使いましょう。
ロールオンタイプは肌にしっかり密着するので効果が長持ちします。
家を出る前に塗っておいてもいいですが、長時間の会議の前や、なかなか休憩が取れない時は、事前にトイレで塗っておくとより安心です。
ロールオンタイプは、塗った後にしっかり乾いてから服を着るようにしましょう。
会社のトイレなどで塗るのはちょっと大変かもしれませんが、効き目長持ちなので、塗ったという安心感が得られ、汗をかいてしまうのではないかという予期不安を取り除けます。
- 生活に支障が出るほどの汗
いくら対処しても、生活に支障が出るほど急に大量の汗がでて困るという人は、多汗症という病気の可能性もありますから、早めに皮膚科や形成外科を受診しましょう。
適切な治療を受ければ改善できます。
1人で悩んでいると、精神的なストレスやプレッシャーで余計に汗をかきやすくなりますから、あまり悩まずに「汗をかいてもいいや」とゆったりした気持ちで過ごすことも大切ですよ。
ストレスで急に汗が出るって本当?
約40%の人が、他の人よりも多く汗をかくと思っているそうです。
汗で悩んでいる人は案外多いようですが、急にダラダラと脇汗をかくなら、それはストレスやプレッシャーが原因かもしれません。
ストレスやプレッシャーが原因なら、原因を取り除くことで改善できます。
ストレスで急に大量の汗をかいてしまうことを精神性発汗といいます。
全身に汗をかくのではなく、体の一部分あるいは数カ所のみ急に大量の汗をかくなら、それは精神性発汗の可能性があります。
脇の下にダラダラ汗をかくと、洋服に汗ジミができてしまい目立つので人目が気になり、さらに緊張して汗がとまらなくなるという悪循環に陥ります。
精神性発汗には性格が関係している場合もあります。
極度に人に迷惑をかけることを嫌うまじめな性格の人、他の人に気を遣う人は精神性発汗になりやすい性格の人です。
つまり、周囲を気遣える繊細でまじめな人ほど精神性発汗に悩んでいるんですね。
まじめで几帳面な性格の人、気を遣いすぎる人は気をつけましょう。
汗が止まらない悪循環には心理療法が効果的
緊張して汗をかき、さらに周囲へ気を遣ってプレッシャーを感じて汗が止まらなくなるという悪循環を断ち切るには心理療法が役に立ちます。
眠ろうとするとよけいに眠れなくなるのと同じで、汗を気にすればするほど大量に出てきます。
ですから気にしないのが一番有効な対処法なのです。
とはいっても、気にしないというのはそれほど簡単ではありませんよね。
まずは、
- 汗をかくと人に迷惑をかける
- 汗をかくと周囲に嫌な思いをさせる
- 汗をかいていることが分かると恥ずかしい
という概念をなくしましょう。
汗をかいても良いと自分に言い聞かせるのです。
一種のお守りを持つことも安心感を得るには有効です。
たとえば家を出る前に制汗剤を使ってきたから大丈夫だと思い込むことで安心できます。
あるいは、汗拭きシートを持ち歩きます。
汗が出ても汗拭きシートで拭けばよいと考えるのです。これも一種のお守りみたいなものですね。
汗をよく吸い取るインナーや、脇汗パッドを使うのもいいでしょう。
ようするに、どんな物でもいいからこれがあるから自安心と思えればよいのです。
上手にストレスを発散できるようになることも、汗をコントロールするためには役立ちます。
寝る前にゆっくりと音楽を聴いたり、休みの日には好きなことをしたりとストレスをこまめに発散しましょう。
不満や不安をため込みやすい性格の人は多汗症になりやすいので、大らかな気持ちで過ごすことが大切ですよ。
急に汗が出るのはホルモンバランスの乱れ?
脇下や手のひらなど体の一部分に、あるいは数カ所だけ急に汗がドッと出てくるなら、それはホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。
ホルモンのバランスが乱れると、交感神経のバランスも乱れてしまい大量の汗が出る多汗症になることがあります。
特に女性はホルモンバランスの影響を受けやすいので、毎月の生理、妊娠や出産、さらに更年期など毎月定期的にあるいは、年代ごとに何らかの症状を感じます。
汗をかきやすいというのは更年期症状の一つです。
エストロゲンという女性ホルモンが減少することで、自律神経が乱れて体温を調節できなくなるために起こる症状です。
エストロゲンは40代半ばころに急に減少します。
更年期障害で汗をかく場合は、昼間だけでなく夜間でも大量の汗をかきます。
ひどくなると、寝汗がひどくて起きてしまうほどになり、眠りが浅くなったり、睡眠障害になることさえあります。
更年期障害により発汗が多くなる場合は、リラックスして自律神経を整えることを意識しましょう。
寝る前にリラックスできるように好きな音楽を聴いたり、入浴の際にアロマオイルを入れて好きな香りに包まれたりして、ゆったりとくつろいだ気分で過ごすことが大切ですよ。
吸水性のよいガーゼ地やタオル地のパジャマやシーツに変えたり、吸水性のよいベットパッドを使うのもおすすめ。
それでも気になる場合は婦人科などを受診しましょう。
ツボ押しでホルモンバランスを整える
ホルモンバランスの乱れを整えるには、ツボ押しも役立つので試してみてくださいね。
耳の穴の下に切れ込みがあるのですが、その内側に内分泌というツボがあります。
息を吐きながら内分泌のツボを指先で押します。
イタ気持ちいいくらいの強さで10回程度押してみてください。
これを1日4、5回繰り返して行うといいでしょう。
食事や生活習慣の改善でホルモンバランスを整える
食事や生活習慣を改善するとホルモンバランスの乱れを改善できます。
暴飲暴食を避けて1日3食バランスよく食べることが大切です。
辛いものや脂っこい食事、アルコール度の高いお酒は避けて、豆乳や納豆などの大豆製品を多く食べるようにしてください。
ぶどうやいちご、梅など酸味のある果物もおすすめです。
睡眠不足が続くとホルモンバランスが乱れるので、不摂生な生活を改めてなるべく規則正しい生活を送るように心がけてください。
半身浴や足湯をして下半身を温めることもホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
ホルモンバランスの乱れを整えて、急に出てくる汗を防ぎましょう。