販売されているサプリの効果は?サプリは栄養成分で選ぶのが常識

サプリは栄養成分で選ぶ

多汗症を治すサプリは存在しない!制汗剤との併用が大前提

脇汗を止めるサプリがあったら便利だろうなと考える人は多いでしょう。

結論を言えば、多汗症を治すサプリはありません。

ですが改善が期待できる成分は複数ありますので、それを紹介していきましょう。

汗が多い人向けサプリに配合されているGABAの効果とは

汗が多い人向けのサプリによく配合されているのは、GABAです。

GABAはもともと体内で合成される成分で、体の中では神経伝達物質として働いています。

体内での役割とは

どんな役割かと言うと、興奮したり、緊張したりする場面で、それを緩和させるというものです。

強い興奮状態が続くと心臓や血管に負担がかかるため、緊張状態を維持する必要がなくなれば鎮める必要があるのですが、そのために必要な物質がGABAというわけですね。

体の中でも合成できるGABAですが、ストレスを感じるたびに使われていくので減少しやすく、不摂生や睡眠不足などでも減っていきます。

また自律神経のバランスが崩れてしまうのは、このGABA不足が原因になることもあります。

ただGABAをサプリ面となど食品から摂取しても、そのまま脳内神経伝達物質としては作用しません。

つまりは緊張が収まらないからといってGABAを摂取しても、興奮が収まるわけではないということですね。

また、脇汗を出すという脳からの司令を止めることはありませんし、精神的な緊張状態そのものを起こさせないわけではありませんし、体温調節のための生理的な脇汗には影響しません。

GABAはサプリとして直接摂取しても意味がない!?

ではGABAをサプリとして摂取しても脇汗には効果がないのかというと、全く影響がないとも言えません。

なぜそうなるのか原因ははっきり解明されてはいないものの、血圧を降下させる作用があることはわかっていて、腸内で吸収され体に取り込まれることはわかっています。

参考サイト

【参考】https://www.yakult.co.jp/institute/report/science_no14.html
ヤクルト公式サイトの中のサイエンスレポートにγ‐アミノ酪酸(GABA)の血圧降下作用やメカニズムについて詳しく書いてます。

またプラセボとGABAを用いた比較実験では、副交感神経の活動が活発になるという結果も出ています。

副交感神経はリラックスしている時や眠っている時に優位になる自律神経で、詳しい仕組みはわからないながらも、腸は自律神経に大きな影響を与える器官ですから、GABAが腸から摂取されることで体に作用していると考えられます。

直接汗を止める作用はありませんが、自律神経を整えることで急に体が暑くなる ホットフラッシュが起こりにくくなりますし、体をリラックスしやすい状態に導いてくれると期待はできます。

気温や状況に関係なく暑さを感じて汗が出てくる人、脇汗が気になってストレスを感じている人は試してみる価値はあるでしょう。

脇汗にカリウムとセイヨウオトギリソウは効果がある?

カリウムとセイヨウオトギリソウ

やなさん

科学的な根拠があるわけではありませんが、汗対策のサプリにはカリウムが含まれるものがあります。

カリウム

体の水分バランス維持に重要な役目を果たすのがカリウムで、もっとも大きな働きは、体の仲の水分を調整するというものです。

細胞内の浸透圧は腎臓によって調整され、それが上手く行かなくなると水分が不足して血圧が上昇しやすくなります。

その働きを助けるのがカリウムです。

カリウムを摂取できていれば余分なナトリウムが尿として排出されやすくなるので、不足すると体内の塩分濃度が上昇しやすくなり、むくみも出やすくなります。

そして、むくみがひどい人は汗をかきやすいという人も多くて、夕方になると足がパンパンになってしまう場合はカリウムが不足している可能性もあります。

ですから、むくみと汗の両方が気になる場合はカリウムを含むサプリで効果がでるかもしれませんね。

ただカリウムは健康的な食生活を送っている場合は不足しにくいと言われていますから、むくみがなく、塩分の摂取量にも気を付けているという人はあまり必要がなさそうです。

参考サイト

【参考】https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
カリウムについてはこちらから出典。「厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト」e-ヘルスネットより。

またサプリメントで採る場合は過剰摂取にならないよう気を付けましょう。

カリウムの過剰摂取は、腎機能の低下を引き起こす危険性があります。

あまり聞かない『セイヨウオトギリソウ』は今、注目されている

セイヨウオトギリソウ

セイヨウオトギリソウはセントジョーンズワートとも呼ばれるハーブで、古くから民間療法で利用されてきたハーブです。

こちらも科学的な根拠ははっきりしないのですが、うつ病の改善に効果があるとされていて、リラックスできるハーブティーとしても有名です。

セイヨウオトギリソウに含まれるハイパフォリンが神経伝達物質の取り込みを邪魔する作用があることがわかっていますが、発汗とハイパフォリンの関係性はわかっていません。

そしてセイヨウオトギリソウは薬との飲み合わせが難しい成分で、長期間摂取するとある種の薬の代謝を速めてしまうので、薬の効果が薄くなってしまうことがあります。

ストレスを和らげる効果があるとして人気の高い成分ですが、副作用として不安感や体のだるさが現れることもあるので積極的にはおすすめできません。

たまにハーブティーとして楽しむ程度なら良いのですが、サプリメントとして長期間摂取する場合は薬との飲み合わせに十分気を付けてください。

汗が多い人向けのサプリに含まれる成分は、科学的な根拠に乏しいものも多くまたどんなに体によい成分でも過剰摂取はよくありません。自分にとってその成分が不足しているか、必要か、しっかり調べた上で活用しましょう。

女性の脇汗にはPMS・更年期サプリがおすすめ

女性におすすめサプリ
女性で脇汗に悩んでいる人は、PMSや更年期の症状にも悩まされているという人が多いのではないでしょうか。

更年期に当たる年齢の方は、ホットフラッシュによって脇汗が気になり始めるという人が多いですし、PMS症状が強い人は、20代や30代でも更年期障害で代表的な症状であるホットフラッシュが起こることがあります。

脇汗以外にも辛い症状がある場合は、脇汗より先にPMSや更年期の辛い状態の改善を目指したほうが良いかもしれません。

参考サイト

【参考】http://www.hisamitsu.co.jp/hrt/index.html
更年期障害についての詳しい内容や治療法についてはこちらに詳しい情報が掲載されています。

まずはサプリで試してみたいという方は【必読】

サプリメントでワキ汗対策を考えていて、なおかつ更年期やPMSの症状に心当たりがあるなら更年期サプリやPMSサプリを試してみるのも良いでしょう。

これらのサプリは人によって大きく『合う』『合わない』が出るため脇汗に効果が出るのかは試してみなければわかりませんが、運良く自分に合うようなら脇汗だけではなく辛い更年期・PMSの症状改善も見込めます。

更年期サプリでよく用いられる成分は大豆イソフラボン、大豆イソフラボン代謝物であるエクオールです。

どちらも女性ホルモンと似ているため、生理周期や年齢によって減少した女性ホルモンを補ってくれると期待できるものです。

大豆イソフラボンとエクオールはどちらが優れているのか?

では大豆イソフラボンとエクオールのどちらが良いかというと、これは人によります。

日本人の約半数は大豆イソフラボンからエクオールを代謝できない体質なので、作れない人はエクオールが効果的ですし、もともと作れる人はどちらであっても効果があるからです。

またチェストツリーも含まれることが多く、効果も期待できる成分です。

もともとチェストツリーは民間療法で用いられてきた西洋ハーブですが、女性ホルモンに働きかけることで症状の緩和が期待できるというもので、現在日本で唯一のPMS治療薬の主要成分でもあります。

日本以外でもチェストツリーを用いた医薬品は複数の国で販売されていて、その効果は広く認められています。

PMS治療薬はプレフェミンという名称の薬で、薬局、ドラッグストアでも購入できます。

ただ要指導医薬品なので処方箋は必要ありませんが、薬剤師の指導を受けた上で購入する必要があります。

この薬の説明書では、頭痛やのぼせなど、体のつらい症状にも効果がある他、些細なことでイライラしたり、カッとなって腹が立ってしまったりといった気持ちのコントールが難しい人にも効果が高いとされています。

他にも女性特有の辛い症状は、低用量ピルでの治療が可能ですし、あまりに症状がひどいようなら腫瘍や筋腫が原因となっている場合もあります。

一度産婦人科を受診してみましょう。

性別や年齢を問わず使えるのが漢方薬!その効果が高い種類を教えて

使える漢方の種類
サプリと薬の中間とも呼べる存在が漢方薬です。

サプリメントより効果が出やすく、多汗症向けのものが複数ありますのでそちらをご紹介していきます。

防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)

代表的な多汗症向けの漢方薬は防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)という名称で、複数のメーカーから出されていて、それぞれ細かな店で効果・効能が違っていることもあるのですが、一般的には水太り、肥満、色白で筋肉の少ないタイプの多汗症に効果的だとされています。

白虎湯加人参湯(ビャッコカニンジントウ)

白虎湯加人参湯(ビャッコカニンジントウ)は、体のほてり、皮膚のかゆみを鎮める効果があります。

体力のしっかりした人向けの漢方薬で、脇汗など部分的な多汗症ではなく全身からの多汗症に悩む人のほうが向いています。

桂枝加黄耆湯(ケイシカオウギトウ)

桂枝加黄耆湯(ケイシカオウギトウ)は寝汗が多いタイプに向いている漢方薬で、日中の緊張によって脇汗が出やすい人には向いていません。

体が弱っているのに汗が出てしまい、さらに体が疲れてしまうという場合に向いています。

脇汗が多い人は、眠っている時は脇から汗が出ないことがほとんどなのであまりこの漢方薬が向いている人はいません。

漢方は体の手助けをする役目!漢方だけに頼るのはダメ

漢方はもともと人の体が持っているバランスを取り戻す手助けをする、という考え方です。

汗が多すぎる状態も、体のバランスが整ってはいないから起こるものだという考えで、それぞれ体の状態に合わせて選ぶもの。

多汗症の薬にしても、体の表面、例えば皮膚などに問題があって汗が多い場合と、内臓など体の内側に問題があるのかを見てどの薬がこの人には合うのかを見極めた上で選択するのが正しい漢方薬の選び方です。

白虎湯加人参湯、桂枝加黄耆湯、防已黄耆湯はどれも漢方製剤として保険が使える薬がありますが、皮膚科で出してもらえるところは多くありません。

クリニックで扱っていない場合は信頼できる漢方薬局を探してみてください。

漢方薬は『医療用医薬品』『一般用医薬品』の2種類ある

漢方薬は病院にいって処方してもらう医療用医薬品(処方薬)、手軽に購入できる一般用医薬品の2種類があります。

一般医薬品の漢方薬は一般医薬品の中でも第2類医薬品に該当し、情報提供は解熱剤などと同レベルの努力義務となっています。

漢方薬は通信販売などでは購入できない要指導医薬はないです。

ですが漢方薬はサプリメントとは異なり副作用の可能性がある薬です。

しっかり医師や薬剤師の説明を聞くようにしましょう。

ちょっと特殊になるのが漢方薬局で扱っている漢方薬で、こちらは薬局内で調剤されたものが出されます。

クリニック以外でしっかり相談して購入できるのはこちらでしょう。

ただ保険では購入できないので、漢方薬としてはもっとも高くなってしまいます。

サプリが効かないなら、飲み薬で脇汗を抑える事は可能!?

飲み薬で汗を抑える
多汗症の飲み薬で、保険適用されるのはプロ・バンサインというお薬です。

プロ・バンサイン

プロ・バンサインは抗コリン剤の一種で、神経遮断薬の一種。

参考サイト

【参考】http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=15696
プロバンサインについての詳しい情報。

アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合しないよう邪魔をする働きがあります。

アセチルコリンにはさまざまな働きがありますが、そのひとつが汗腺の働きに対する神経伝達で、簡単に言えばアセチルコリンは働かなければ汗を出すという司令も届かなくなるということです。

これは多汗症には有効な薬なのですが、副作用も強い薬です。

汗腺だけではなく、複数の神経終末に関わるため眠気を感じる人が多くなります。

またこの薬は多汗症の他、胃液の分泌量や消化酵素のひとつである分泌量を低下させるので、消化器官のトラブルでも幅広く用いられます。

やなさん

そのため、唾液の分泌や腸の活動が低下することから口が乾いたり便秘美味になったりといった副作用が出ることもあるようです。

薬の効果は個人で変わりますが、消化器官のトラブルで服用されるので可能性が高いです。

また効果は高いのですが、積極的に処方してくれないクリニックも多いので、飲み薬で治療したい場合は事前に情報を集めてからいったほうが良いでしょう。

クリニックのサイトで多汗症の治療方法としてプロ・バンサインを紹介している皮膚科であれば、処方してもらえる可能性が高いです。

参考サイト

【参考】https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/q13.html
プロバンサインの皮膚科学会の見解について。

健康保険が使えない自律神経作用薬も原因によっては効果が期待できることも・・・

抗コリン剤以外では、健康保険は使えませんが抗不安薬や自律神経作用薬なども多汗症の治療に使われます。

うつ病や不安症が多汗症の原因になっている場合はこちらの薬が効果的な場合もあります。

向精神薬はどんな種類の薬でも副作用が起こりやすいものなので、できれば飲まずに済ませたいところです。

塗り薬やボトックス注射、手術などによる治療、脇汗パットやデオドランド製品を使ったワキ汗対策に比べれば、サプリメントや飲み薬で多汗症が抑えられるなら手軽で便利だなと考えがちです。

ですがサプリメントは、人によって効果がまちまちになりやすいですし、食品ですから劇的な効果は期待できません。

また飲み薬は副作用が気になりますよね。

サプリだけに頼るのではなく食生活そのものを向上させて、生活習慣を見直すなどの方法を合わせることで効果は出やすくなりますし、他の治療やワキ汗対策と合わせて補助的に用いるのも良いでしょう。

そしてはっきりした結果が出なくても、イライラしないことが大切です。

脇汗にとってストレスは大敵。

サプリメント以外にも、脇汗の治療方法は複数ありますし、飲み薬がなければ治らない病気でもありません。

サプリは「効果があればラッキー」くらいの気持ちで始めてみるといいでしょう。