多汗症と呼ばれる発汗異常によってメンタルが消耗し過ぎている
梅雨の時期を過ぎて暑くなると、脇汗が気になってくるという方は少なくないことでしょう。
脇汗は不快感がある一方で、汗ジミになったりにおいが気になったりといろいろな悩みの種になりかねませんよね。
そんな中、脇汗が原因でうつ病になってしまう人もいるということが知られるようになってきました。
脇汗ぐらいでうつ病になるのかと思う方もいるかもしれませんが、実際に脇汗をかく人にとってはなかなか重大な問題なのです。
それが多汗症と呼ばれる発汗異常です。
多汗症とは気温や湿度、季節などに関係なく手のひらや脇などに大量の汗をかく症状のことを言います。
特に手のひらに大量の汗をかく人の中で医師や看護師、エステティシャンなど人の体に触れることが多い人は、自分の汗が他の人に不快感を与えているのではないかと不安になり、うつ病になってしまうこともあるようですね。
さらに他の人に不快感を与えなくても、
- パソコンが汗で壊れてしまう
- デートの時に手を繋げなかった
- スマホのタッチパネルが反応しない
- 本や雑誌が汗でしわしわになる
- プリントやテストも同様
- 握手ができない
などなど、日常生活に支障をきたしたしまうことさえあります。
ワキの多汗症は常に汗ジミが気になる事でストレスが蓄積されやすくなる
脇汗の場合にはやはり服の汗ジミが目立ってしまう、広い範囲に汗ジミができてしまうといった影響があります。
こうした手汗や脇汗による日常生活の細かいストレスの積み重ねによってうつ病の症状が出てしまうのですね。
うつ病の原因はストレスや脳内の変化、さらにはうつ病になりやすい体質などが挙げられますが、脇汗が多いとこのストレスが大きくなりうつ病になりやすくなる恐れがあります。
- 睡眠障害や疲労感
- 意欲の低下
- 不安の増大
- 抑うつ気分
などが引き起こされることはよく知られていますよね。
つまりうつ病になると日常生活の様々な部分に影響が出てしまうことがわかります。
脇汗はうつ病の直接の原因というわけではありませんが、多汗症によって手汗や脇汗が多くなるとうつ病が引き起こされる遠因になってしまう可能性があるので注意が必要です。
さらにうつ病は比較的年配者のなる病気というイメージがあるかもしれませんが、実はそうとは言えません。
近年20代から30代の女性に多く見られる非定型うつ病が増加しており、通常のうつ病とは異なり出来事に反応して気分が変化します。
つまり脇汗で悩んでいる方の場合、何らかの理由で脇汗が多くなると気分がさらに落ち込んで死にたくなるほどつらい気持ちになることもあります。
ですからたかが脇汗と思わずに、しっかり対処することが重要ですね。
では実際に脇汗でうつ病になってしまった人がとった行動とは
脇汗をたくさんかいてストレスが溜まってしまうと、場合によってはうつ病になってしまうこともあります。
特に現代の日本社会では身だしなみや体臭などに対するチェックが厳しいので、脇汗をかくことを極度に恐れている方もいるかもしれませんね。
うつ病になってしまうと意欲が低下したりやる気が起きなかったりという精神的な問題を抱えたり、睡眠障害や過食といった不調が出てくることもあります。
では、脇汗に悩んでうつ病になってしまった方はどうやって症状を改善したらよいのでしょうか。
特にこれから薄着になることが増える季節なので、うつ病になってしまっているかどうかにかかわりなく脇汗対策について考えていくことにしましょう。
うつ病の予防にもなる症状を改善出来る方法
まず大前提として、汗をかくというのは体にとって重要なことです。
体温をコントロールするのに必要なことだからです。
しかしうつ病になってしまうほど脇汗をかく方の場合、もしかするとその脇汗は精神性発汗なのかもしれません。
精神性発汗とは緊張や恐怖などによって汗をかくことです。
これも人間の反応としては普通のことですが、汗ジミなどはやはり気になりますよね。
汗を出したくないと思えば思うほど緊張してしまい、さらに汗が出るという悪循環に陥ってしまいます。
ただし基本的に汗は無臭で汚いものではないということを覚えておくと良いかもしれません。
それでもやっぱり脇汗をとめたいという方は、いくつかの方法によって脇汗を減らすことが可能です。
- デオドラント剤
一つの方法はデオドラント剤です。
汗を制御するのに毎日のように使っているという方も多いですよね。
実はこのデオドラント剤は汗をとめてくれるほかにもう一つ重要な効果があるのです。
それは「デオドラント剤を使っている」という安心感です。
うつ病になってしまうほど脇汗をかく方は精神性発汗であることが多いので、デオドラント剤を使うことによる安心感によって緊張を和らげることができます。
- ボトックス注射
もう一つの方法はボトックス注射です。
ボトックス注射は汗腺を刺激する成分を抑えて汗をかきにくくする効果があります。
汗腺は汗をかきにくくなると機能が低下します。
ボトックスが体外に排出された後でも汗腺の機能は落ちたままなので脇汗が少なくなるという仕組みなんですね。
この二つの方法で脇汗を減らすことができればストレスも軽減し、うつ病だった方もやや気持ちが晴れやかになるかもしれません。
脇汗対策をしっかりして夏に備えるようにしたいものですね。
うつ病以外にも病気の原因になる事ってあるか知りたい
脇汗がうつ病の原因になると聞くと不思議に思うかもしれません。
しかしうつ病の原因がストレスであることを知っていれば、脇汗をたくさんかくことでうつ病になる可能性があることは理解できますよね。
しかし実は脇汗はうつ病以外にも多くの病気の兆候である場合があるのです。
では脇汗がどんな病気の兆候である可能性があるのか見ていくことにしましょう。
症状から可能性のある病気をいくつか考えてみましょう
まず若い方にはあまりない症状ですが、更年期障害の症状の一つである可能性があります。
女性には女性ホルモンであるエストロゲンが大きな影響を及ぼしますが、このエストロゲンの分泌量が低下すると体に様々な症状が現れます。
うつ病のような症状もその一つですが、脇汗が大量に出て一気に引くというのも一つの症状です。
エストロゲンが低下しホルモンバランスが崩れると、自律神経の調節がうまくいかなくなります。
すると発汗や体温調節が上手に行えずに脇汗を大量にかいてしまうことがあるのです。
さらに大量の脇汗によって予想される別の病気が甲状腺機能亢進症です。
甲状腺機能亢進症とは甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって脈が速くなったり疲れやすくなったりする症状のことを言います。
バセドウ病なども甲状腺機能亢進症の一つです。
こちらでもやはりホルモンバランスが崩れていますよね。
その結果脇汗を大量にかくことがあるのです。
アドレナリンの過剰分泌による心拍や脈拍上昇による発汗
さらに別の病気として褐色細胞腫が挙げられます。
あまり聞きなれない病気ではありますが、こちらもホルモンバランスが崩れる病気です。
褐色細胞腫になるとホルモンの一つであるアドレナリンが大量に分泌されます。
よく緊張したり興奮したりするとアドレナリンが出ているといいますよね。
これはアドレナリンによって心拍数や脈拍、血圧が上がり一種の麻痺状態を作り出します。
その結果一つのことに集中したり能力以上の成果を上げたりすることができるのです。
しかし、このアドレナリンが血中に放出されると脈拍や心拍が上がるので緊張状態に陥り脇汗が大量に出ることが少なくありません。
つまり脇汗が大量に出て困っている、うつ病になりそうなほど嫌だという方は、もしかすると体内のホルモンバランスが崩れているかもしれないということなのです。
もちろん脇汗がすべてこうした病気になっている証拠というわけではありませんが、あまりにたくさんの脇汗をかく症状が続いているのであれば、他の病気の可能性も疑ってみるのも良いかもしれませんね。
うつ病の人が脇汗をかいてしまう理由ってなんだろう
うつ病は現代社会において多くの人を悩ませている病気の一つです。
うつ病の症状の度合いによりますが、多くの場合日常生活の様々な分野で支障が出てきますよね。
例えばうつ病の方は脇汗を大量にかくことも珍しくありません。
ではうつ病の方がなぜ大量の汗を手足や脇にかくのか、その原因について見ていくことにしましょう。
うつ病になってからも発汗が多くなる要因
まず覚えておくべきなのは、うつ病といってもいろいろなタイプがあるということです。
多くの人が考えるいわゆるうつ病は「定型うつ病」と呼ばれるものです。
これはいつでも気分が落ち込んでいる症状を示します。
どんな事にもやる気が無く、集中力が無い、また常に自責心・自責感が強い。
しかし現在では20代から30代の特に女性に多いとされる「非定型うつ病」が増加しています。
楽しい事があると元気になる。
気分の浮き沈みがとても激しい傾向にあり、イライラしている事も多い。
他人の言動や行動に敏感になる特徴がある。
これは何か楽しいことがあると気分が向上し、それまでとは打って変わって元気になるというものです。
お天気屋うつ病とも呼ばれるこのうつ病は、若い女性に多く見られるため、脇汗を大量にかくことで発症する可能性も高くなります。
若い女性はファッションに敏感ですし、汗ジミなどを極度に気にする人も多いからです。
汗の種類が違う?原因は精神性発汗の可能性が高い
脇汗によってうつ病になる人がいる一方で、うつ病患者の方が脇汗をたくさんかくこともあります。
うつ病の人がなぜ手足や脇に汗をかきやすいのか、その大きな原因は精神性発汗であると言えるでしょう。
というのは人間の体は非常に繊細で、自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れがうつ病に直結することも珍しくないからです。
うつ病になると精神的なバランスや自律神経の調節がうまくいかなくなることがあります。
すると気温や季節に関係なく大量に汗をかいてしまうことになります。
特に精神性発汗の場合には緊張によって発汗が促されるので、何かの拍子に緊張してしまい脇汗をたくさんかいてしまうことがあります。
自律神経が関係していると常時汗を大量にかくことも少なくありません。
うつ病の方の中には普段からノートがびしょびしょになってしまうほど手に汗をかいていたり、色の濃い服は着ることができないほど脇汗をかくという人もいるのです。
こうした精神性発汗の場合、汗をかくのは手、足、脇、顔に限られており、体はあまり汗をかかないというのも特徴の一つです。
もちろん汗をたくさんかくからうつ病というわけではありません。
それでも20代から30代の女性の方で汗を大量にかくことに悩んでいるという方は、非定型うつ病の可能性もあると考えて一度カウンセリングなどの治療を受けてみる必要があるかもしれませんね。
えっ!?『いい汗』と『悪い汗』ってあるの?
夏の暑い時期に入り脇汗をかいていると、やはり汗ジミなどが気になる方も多いですよね。
しかし脇汗をかくこと自体は悪いことではないということも覚えておく必要があります。
脇汗は体温調節にほとんど影響を与えないのですが、それでも体の機能としては正常に作動していることを示すものでもあります。
中にはうつ病になってしまうほど脇汗を気にする方もいますが、問題はどのような汗をかいているかということです。
実は脇汗にも良い汗と悪い汗とがあります。
では、その二つの汗の違いについて見ていきましょう。
汗の違いって何?どうやって見分けることができるのか
まず良い汗ですが、こちらはサラサラとしていてほぼ無臭の汗です。
良い汗をかいている限りはにおいなどもあまり気にする必要がないといえますね。
確かに良い汗でも汗ジミはできますが、生活習慣や食生活を改善する必要性などはあまりなさそうです。
もし脇汗をかくこと自体を減らしたいというのであれば制汗剤を使うことができます。
ただし制汗剤は足の裏と脇にだけ使うようにしましょう。
一方で悪い汗の場合にはより一層注意が必要です。
というのは悪い汗はベタベタしており雑菌が繁殖しやすい状態になっているからです。
脇汗がこうした悪い汗になるとにおいも気になりますし、不快感が増してうつ病などの精神疾患になってしまう危険性も高まります。
- 運動不足の人
- ストレスが多い人
- 湯船に浸からずシャワーだけで済ませてしまうことが多い人
- 野菜をあまり食べず肉やジャンクフードが多い人
- スナック菓子をたくさん食べる人
こうした生活習慣や食習慣をしている人の場合には悪い汗をかく可能性が高くなります。
もし心当たりがあるのであれば、今から食生活、睡眠習慣などを見直してみることができるでしょう。
自分の汗にストレスを感じないようにする事が大切
もし自分の脇汗が良い汗であると感じるのであれば、若い女性の方でもうつ病になるほどストレスに感じることもなくなるかもしれません。
うつ病の方の多くは精神性発汗であることが多く、気にすればするほど汗をかきやすくなってしまいます。
そのため対策を講じることによって安心感を得、発汗を減らすことが可能です。
制汗剤を使うこと、わきの下のようにアポクリン腺が多い場所は毎日しっかりと洗い清潔さを保つこと、汗拭きシートを使うことなどによって対策を講じることができます。
良い汗の場合にはそれほどストレスを感じる必要はないので、あまり気にせず徐々に症状を改善していくようにしましょう。