コーヒーに含まれるカフェインは眠気覚ましやパフォーマンス向上が期待できる成分ということは・・・
コーヒーを飲むと、脇汗がひどくなると感じる人がいますが実際汗の量にコーヒーは関係しているのでしょうか。
コーヒーに含まれるカフェインは興奮作用があり、眠気覚ましやパフォーマンス向上が期待できる成分です。
脇汗は交感神経が優位になることで増えやすくなりますから、コーヒーを飲むと脇汗が増えてしまうというのは本当かなぁって思っちゃいますよね。
なぜコーヒーを飲むと眠れなくなったり、やる気が出てきたりするのでしょうか。
カフェインによるGABAへの影響や血糖値の低下による発汗
コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を直接刺激するのではなくて、抑制性神経の働きを邪魔します。
神経伝達物質であるGABAの働きが弱くなると興奮状態がなかなか冷めなくなります。
コーヒーを飲むと眠れなくなるのはこのせいですね。
またGABAが不足する事で、人によっては不安感が強まることがあり、不安や緊張などが脇汗の原因である場合、脇汗が増えてしまう可能性はあります。
またカフェインを過剰摂取すると血糖値が下がってしまう人もいて、血糖値が下がると発汗しやすくなります。
コーヒーを飲みすぎると汗が出やすくなる、というのも根拠がある話というわけです。
お茶や紅茶もカフェインが多い飲み物ですし、コーラなどの清涼飲料水にも含まれていることがあります。
カフェインの過剰摂取は中毒になる危険性がある
コーヒーの飲み過ぎだけではなく、カフェインの過剰摂取には要注意です。
多量のカフェインを含むドリンク剤を飲みすぎると、急性カフェイン中毒になる危険もあります。
カフェイン中毒の死亡例はほとんどないのですがゼロではなく、日本でもカフェイン中毒で亡くなった方がいらっしゃいます。
その他、コーヒーは体のカリウムを減少させます。
コーヒーは利尿作用があり、体の水分を排出するためにカリウムが使われるからです。
カリウムは神経伝達を補助するものですからカリウムが減少しすぎると低カリウム血症となり、自律神経失調症の原因になることもあります。
自律神経失調症の症状は人によって差がありますが、更年期でのホットフラッシュが起こり汗が大量に出ることもあります。
また消化器官や腸の働きが鈍くなったり、筋肉の働きも弱まったりするのでカリウム不足は体にとって非常に深刻な問題なのです。
なんだかコーヒーは脇汗にとって大敵なのかもという気がしてきますね。
ですが適量のコーヒーを楽しむことは、必ずしも脇汗の量を増やすとは限りません。
コーヒーには良くない面はあるものの、良い面も非常に多いからです。
コーヒーは脇汗のリスクを減らすことができる
コーヒーを飲む人は長生きしやすいという話を聞いたことはないでしょうか。
コーヒーには悪い効果もあれば、健康にとって有益な効果も持つ飲み物です。
まずコーヒーを飲むと、糖尿病のリスクが減少することが知られています。
コーヒーと糖尿病の因果関係ははっきり解明されてはいませんが、糖尿病は多汗症の原因にもなる病気です。
また糖尿病の薬を飲むと低血糖を引き起こすことがあるのですが、これも一時的に汗を増やしてしまうことがあります。
汗が増える原因である病気のリスクを、コーヒーは低減させてくれるのです。
病気のリスク低減は死亡リスクの低減と関係している
アメリカの研究ではコーヒーを飲まない人に比べて、コーヒーを飲む人は死亡リスクが10%以上低いという結果が出ています。
これは単純にデータを比較しただけの研究なので、どんな作用があって死亡リスクが低下するのかはわからないのですが、先程紹介したように糖尿病など病気のリスクを下げてくれるという事が関係していると考えるのが自然でしょう。
またダイエット方法のひとつに、コーヒーダイエットというものがあります。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は脂肪の分解を助けてくれるため、痩せるというものなので、継続してコーヒーを飲むことで効果が期待できるようになります。
ご存知の通り肥満は生活習慣病のリスクを高めます。
生活習慣病は多汗の症状が出ることも多いので、コーヒーは脇汗を増やすのではなく、逆に増えないよう予防しているとも言えるのです。
またコーヒーに含まれるクロロゲン酸はポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ち有害な活性酸素を減らしてくれます。
紫外線など外部からの刺激、ストレスなど精神的な刺激によって人の体は活性酸素が作られますが、この活性酸素は老化を早める因子です。
ポリフェノールの種類によっても効果はさまざまなのですが、活性酸素が増えすぎると動脈硬化や高血圧を引き起こしやすくなるので血管を丈夫に保つ手助けになったり、肌を綺麗にしてくれたりする効果があります。
科学的根拠から見ればニオイ軽減にも効果がある!?
そして汗に関しては、匂いを軽減してくれる可能性を秘めています。
汗に匂いが強くなる原因はさまざまなものがありますが、そのひとつが過酸化脂質の増加です。
活性酸素が増えると過酸化脂質も増えるので、ポリフェノールによって過酸化脂質を抑えられれば脇汗の匂いが軽減するかもしれないのです。
また皮脂が酸化することで匂いが出ることもありますが、こちらは直接ポリフェノールを塗ることで匂いが軽減することもあります。
飲み物によるのリラックス効果が期待できる理由は?
コーヒーを飲むと目が冴えて仕事が捗るという人もいれば、リラックスして癒やされるという人もいます。
コーヒーにリラックス効果があれば、副交感神経が優位になりやすいので緊張状態で出やすい脇汗は減るのではないでしょうか。
ですが気持ちが冴えている状態では交感神経が優位ですから、体は緊張状態になり、脇汗も増えるとも考えられますよね。
実際コーヒーにはリラックス効果があるのでしょうか。
リラックス効果が高いのは「味」か「香り」か?
コーヒーのリラックス効果にとって重要なのか、その香りです。
コーヒー好きな人は、味そのものだけではなく香りを楽しんでいる人も多いでしょう。
コーヒーの香りはアルファ波を増やす効果があり、アルファ波が増えるのは通常リラックスしている時ですから、コーヒーの香りによって人はリラックス効果を得ていると考えられます。
ただコーヒーの種類によってアルファ波が出やすいもの、出にくいものがあり特にアルファ波が増えるのは、
- ブルーマウンテン
- グアテマラ
あたりがおすすめなんですが、
- モカ
も、なかかなに効果が高い種類です。
そしてアルファ波が出ていると、人は集中力が高まります。
緊張状態のほうが集中は強いのですが、例えばスポーツの場面を考えると、緊張しすぎると上手く体が動かなくなったり、周りがよく見えなくなって失敗しやすくなったりすることがわかると思います。
そしてアルファ波はリラックスしている状態ですが、覚醒しつつ緊張しすぎてはいない状態なので自分の持つパフォーマンスを最大限に発揮しやすい状態なのです。

なるほど、アルファ波が出ている時は、脳がもっとも実力を発揮しやすいというわけなんですね。
コーヒーを飲むと仕事が捗るという人は、体にとって程よい緊張感を維持できるからと考えれば自然とうなづける。
逆効果!緊張状態になるっていう事は脇汗も多くなる!?
極度の緊張状態では誰でも精神性発汗が増えます。
そして精神性発汗は脇汗が多くなりますから、コーヒーによるリラックス効果はパフォーマンスを上げつつも、脇汗が出るほどの極度の緊張状態からは開放されると言えるでしょう。
コーヒーを飲むと落ち着く、リラックスできると言う人は、脇汗にとって悪影響にはなりません。
コーヒーが好きな人なら、無理に我慢すれば、それ自体がストレスとなって自律神経が乱れることもあります。
カフェイン依存症やカフェイン中毒にならない範囲でコーヒーの美味しさを楽しめるならコーヒーを避ける必要はないのです。
ただコーヒーを飲む人全員がリラックス効果を得られるわけでもないので、実際に脇汗が増える人もいれば逆に脇汗が減る人もいるという結論になります。
コーヒーを飲むと水分不足から汗が減るってこれホント?
コーヒーは結局水分ですから、飲めば当然汗が出やすくなるのでは?と考えがちですがそうとは限りません。
確かに汗のほとんどは水分ですから水分を取れば汗は出やすくなります。
ですがコーヒーには利尿作用があるため、飲みすぎると逆に体が水分不足になることがあります。
尿は腎臓をフィルターとして、体にとって不要なものを排出するためのものです。
コーヒーは血管を拡張させるので、腎臓に流れ込む血液の量が増えて結果的に尿の量が増えるという仕組みです。
コーヒーとして摂取した水分より多くの水分が尿として排出されるため、体は水分が不足してしまいます。
そして水分が不足すると、今度は体にとっては危険な状態でもあるため、体を守るために尿や汗が出にくくなります。
水分不足による発汗の抑制は熱中症や脱水症のリスクがある
体から老廃物を出すのは必要なことで、利尿作用そのものは体を助けているとも言えますが、水分が足りない状態というのは体にとって大きなダメージとなります。
コーヒーに限らず、汗をかきたくないからと水分を制限するのは絶対に止めてくださいね。
脇汗以外の汗も止まってしまうと、体温が上がりすぎて危険になります。
特に夏場の水分不足は熱中症リスクが高まります。
熱中症は中枢神経障害が後遺症として残ることがありますし、神経障害のひとつとして発汗異常が起こることもあります。
汗が出過ぎたり、逆に汗をかかなくなったりという症状です。
体の水分が不足するということは、血液の濃度が高くなってどろどろになるということでもあります。
そのため心筋梗塞やと脳梗塞のリスクも高くなってしまいます。
軽度の脳梗塞は、本人も気付かないケースがあり、後に大きな脳梗塞を起こす危険があるものです。
ほんの数分でもろれつが回らない、舌や体が動かないなどの症状があれば診察を受けましょう。
心筋梗塞はいうまでもなく死亡率が高く、速やかに処置を開始しなければ刻一刻と助かる可能性が低下してしまう恐ろしいものです。
くれぐれも、水分不足の状態で汗を減らそうなどとは考えないでくださいね。
他にも同様の効果がありそうな飲み物ってなんだろう
その他、強い利尿作用がある飲み物はアルコールです。
アルコールには抗利尿ホルモンの分泌を抑える働きがあり、アルコールに含まれる水分と一緒にもともと体にあった水分も一緒に尿として排出されてしまいます。
コーヒー以外にもカフェインを含む飲み物は利尿作用がありますから、喉が乾いた時は水を飲むのが一番ですし、アルコールやコーヒー、カフェインの入った飲み物を飲んだら、意識して水分を摂取するようにしてください。
コーヒーと脇汗の関係まとめ
コーヒーにはメリットもデメリットもあって、脇汗にとってもいい面、悪い面の両方があります。
コーヒーには抑制性神経の働きを邪魔する作用があります。
リラックス作用のあるGABAが上手く働かないと、不安感が強くなったり、緊張しやすくなりますから精神的発汗で脇汗が多い人は、さらに脇汗が増える可能性があります。
またカフェインによって低血糖や低カリウム状態になることがあり、そうなると汗が増えやすくなります。
その一方でコーヒーは糖尿病のリスクを低下させ、コーヒーに含まれるポリフェノールの働きで太りにくくなったり、活性酸素を減らし動脈硬化のリスクを低下させたりといった効果もあります。
体重増加や高血圧などは汗が増える原因になることもあるので、結果的にはコーヒーの効果で脇汗が出やすくなるのを防ぐこともあります。
そして活性酸素が増えると汗の匂いに影響する過酸化脂質が作られにくくなるため、脇汗の匂いが低下する可能性があります。
アルファ波を増やすためには程よい緊張状態がベスト
コーヒーは覚醒作用に注目されがちですが、実はリラックス効果も持っています。
コーヒーの香りはアルファ波を増大させ、程よい緊張状態を維持する役に立ちます。
脇汗が出るほどの強い緊張状態ではアルファ波は出ませんから、脇汗を増やすのではなく、逆に減らすこともあるのです。
コーヒーでリラックスできるかどうかは個人差もありますが、コーヒーを飲むと落ち着く、リラックスできると言う人にとってはむしろありがたい飲み物だと言えるでしょう。
過剰摂取はNG!病気の原因になってしまうことも・・・
ただ、コーヒーに癒やされるという人であってもコーヒーの飲み過ぎはよくありません。
コーヒーは利尿作用が強いので、飲み過ぎと体の水分不足を引き起こしやすいからです。
体が水分不足になるとこれ以上汗を出せば体が危険だと判断され結果的に汗は減りますが、同時に大きなリスクも伴います。
発汗による体温調節ができなくなると体温が上がりすぎて熱中症になりやすくなります。
また、血液の濃度が高くなって脳梗塞や心筋梗塞のリスクも増大します。
コーヒーが脇汗にとってどんな作用を及ぼすかは個人によって差がありますし、コーヒーが苦手な人が無理にコーヒーを飲んでも、脇汗を減らす効果は期待できません。
脇汗以外でもコーヒーは良い面、悪い面を持っていますから、コーヒーは悪役でもヒーローでもないということです。
ですがコーヒーが好きな人は、コーヒーを我慢しすぎることでストレスを感じ脇汗を悪化させる可能性もありますから、適度な量のコーヒーを美味しく楽しんだほうが良いでしょう。