それは原発性腋窩多汗症!サイレントハンディキャップとも呼ばれている
汗は恒温動物である人間が体温調節のために分泌する生理現象。
誰だって汗をかくのだから恥ずかしがることはないはずなんですが、何故かこと脇汗となると人に気づかれるのが恥ずかしい!と思ってしまいますよね。
ゆえに、この多汗症は患者自身が公表したり相手に伝えたりしづらい病気「サイレントハンディキャップ」とも呼ばれています。
根本的な治療法がない難治病であるため、精神的にも追い込まれてしまう事が多いです。

すぐにでも「汗を止めたい」と思っている方は私が使用したデオドラントの効果などを伝えてますので下記サイトがお役に立つかもしれません。

特に洋服の脇部分に汗がじっとりとにじんでいると、もう恥ずかしくて腕を挙げられない!なんて思ってしまいます。
- やりたいお洒落を我慢したり…
- 脇汗が目立たない服を選んだり…
- ことあるごとにトイレに駆け込んで制汗剤を振ったり…
特に夏場は非常に厄介なこの脇汗、そもそもどうしてこんなに大量に発生してしまうのでしょうか。
前述の通り、そもそも汗は体温調節のために行われるもので、暑いときや運動したときに上がった体温を下げるために汗をかきます。
これが温熱性発汗ですね。
この体温調節のために発する汗は「エクリン汗腺」と呼ばれる汗腺から出ていて、このエクリン汗腺は耳の穴などごく一部の例外を除いて体の全身に存在しています。
つまり脇の下にも存在しており、暑い日などには当然脇の下も汗をかくわけです。
全身から発汗しているのに他の部分はそれほど目立たないで、どうして脇だけが目立つのかというと、丁度腕が蓋になって風通しを悪くしているせいでしょう。
また男性など脇毛の処理をしていない人は、ムダ毛によって更に蒸れて高温多湿になってしまうことも挙げられます。
更に、脇にはエクリン汗腺以外に「アポクリン汗腺」と呼ばれる汗腺が集中的に存在しています。
このアポクリン汗腺は体温調節の働きには関与しておらず、何故人体に存在するのかはっきりとしたことはまだ分かっていません。
おそらく異性を惹きつけるフェロモンを発するためのものであろうと考えられていますが、いずれにせよ緊張やストレスなど精神的な刺激によってエクリン汗腺と共に発汗することが分かっています。
従ってエクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方が存在する脇下は、他の部位より汗をかくシーンが多い、ということになるわけですね。
温熱性発汗であれ緊張性発汗であれ、いずれの場合も汗腺の量や発達具合は人によって異なるため、同じ環境下にいても沢山汗をかく人もいればそれほどかかない人もいます。
このように、人の生体機能として避けられない脇汗ですから、これをなくしてしまうことは基本的に不可能。
脇汗が目立たない服を着るなど何とか対処法を考えましょう。
ただ、人と比べてもあまりにも汗の量が多い人は多汗症の可能性もあるため、生活に支障があるほどであれば皮膚科に相談してみると良いでしょう。
脇汗が目立たない服選びのポイントは?
特に夏場に気になる脇汗。
脇汗パッドを利用するという対策法もありますが、服によってはパッドが透けて見えるなど、いつでも使えるわけではありませんよね。
そこで気づかれてしまうととても恥ずかしい脇の汗染み対策として、汗染みが目立たない服を選ぶという人は少なくないようです。
- 服の色
- 柄
- 素材
- 形
これらを考慮することです。
まず色としては、汗で濡れて色が変わった時に服との差が付きにくい色を選ぶこと。
濡れるとその部分の色が濃くなりますから、黒やネイビーなど最初から暗い色なら濡れた部分との差が付きにくく目立ちません。
一方パステルカラーやライトグレー、ベージュなどの明るい色は汗染みが目立ってしまいます。
ホワイトなら汗染みは目立ちませんが、毎回洗濯の際にしっかり汗を落とすようにしておかないと、今度は黄色いシミとなって残ってしまうのでこの点注意が必要です。
明るい色の服を着たいなら柄の入った服を選んで
じゃあ夏場は明るい色の服を着られないの?とガッカリする必要はありません。
明るい色でも柄の入った服なら脇汗が目立たない可能性があります。
- ボーダー
- チェック
- 花柄
などの服ですね。
これは一枚の生地に様々な色が取り入れられているためで、汗染みを目立たせてしまう色以外に目立たない色も入っていることから、汗染みが1つの塊として認識されにくいのです。
また人の意識は汗染みのような意味をなさない形よりも花柄など意味のある形の方に向くため、これも汗染みを目立たなくしてくれます。
特に大きな柄より細かい柄の方が目立ちにくい傾向にあるようです。
素材も上手に選んで
色や柄の他に、服の素材も上手に選べば汗染みが目立ちません。
ポイントになるのは、素材の吸水性と速乾性。
例えば綿素材は吸水性が高く汗を吸いやすいため汗染みができやすいですが、通気性が良く速乾性の高いポリエステルやメッシュ素材は汗を吸ってもすぐに乾いてくれるので染みが目立ちません。
涼しくて着心地の良い素材なので、暑い夏にはちょうど良いですね。
服のデザインを選ぶだけでも効果アリ
最後は服の「形」つまりデザインです。
体にピッタリフィットしたタイトなデザインの服は、脇部分にもピッタリ肌が密着するため汗をしっかり吸収してしまいます。
しかも密着する分更に暑く、余計に汗をかいてしまうことにも。
逆にふわっとしたデザインの服なら汗が付きにくく、着くとしても小面積なので目立ちません。
ふわっとしている分通気性も良いので汗の量も少なく、汗をかいてもすぐに乾いてしまいます。
仕事上ふわっとしたデザインの服を着ることができなくても、少し大きめのサイズを選ぶなど工夫すると良いでしょう。
目立たないようにする為の制汗剤の種類と選び方について
お気に入りの服にまでシミを作ってしまう、脇汗。
脇汗が目立たない服を選ぶというのも脇汗対策の1つですが、脇汗を気にするがあまり好きな服を着られない、というのも悔しいですよね。
例えば黒や紺は汗染みが目立たない色ですが、軽やかなパステルカラーで装いたい春にまでいつもそんな地味な色ばかり着ていると、気分まで滅入ってしまいそうです。
そんな場合は、汗染みが目立たない下着を着用したり、そもそも原因となっている脇汗を抑える制汗剤を利用したりすると良いですね。
特に最近では制汗剤にも様々なタイプがあって、シーン別に使い分けることができるようになりました。
- スプレータイプってどう?
制汗剤として最もメジャーで昔からあるのが、スプレータイプの制汗剤ですよね。
肌に直接触れずに使えるので友達同士で気楽に貸し借りもできますよね。
気になる部分にシュッとふるだけなので簡単でもあります。
ただ、スプレータイプはどちらかというとデオドラントに近く、汗を抑えるというよりは汗のニオイを抑えたり他の香料でごまかしたりといった意味合いが強いアイテムです。
従って、脇汗のニオイではなく汗染みを何とかしたいという人にはあまり意味がないかもしれません。
- シートタイプはどう?
シートタイプも制汗というよりは出てきた汗を拭き取るためのもので、単にハンカチで拭き取るのとは違いサラサラのパウダーが付いていてサッと拭くだけで汗のべたつきがなくなります。
脇汗をかいたときにすぐにこれで拭き取れば、汗染み対策になるでしょう。
ただし、1枚1枚使い捨てなので、使用後にゴミができてしまいます。
できればすぐに捨てられる場所で使うと良いですね。
- 直塗りタイプって?
スプレータイプやシートタイプが汗をかいた後に使用するアイテムであるのに対し、ロールオンタイプやスティックタイプの制汗剤はあらかじめ汗を予防するためにも使える点が特徴的です。
というのもこれらの制汗剤は直接肌に薬剤を塗り込んで汗腺に蓋をし、汗が出ないようにする制汗性の非常に強いタイプだからです。
ロールオンタイプは液状になった薬剤を容器の先端についているロールを通して塗り込むもので、スティックタイプはその名の通りスティック状になった固形の薬剤をそのまま肌に当てて塗り込みます。
いずれの場合もその効果性を高めるために、ムダ毛を処理しておくと良いでしょう。
また液状のロールオンタイプの中には塗布後すぐだとベタつきが残るものもあり、その場合は乾くまでしばらく待ってから服を着なければなりません。
しかし前述の通り他の制汗剤と比べると制汗力が強いため、汗染み対策としては一番お勧めのタイプと言えます。
インナーで選べば好きな洋服を着れるのでは?
ダークカラーや柄物など、脇汗が目立たない服を選ぶのも良いですが、「今日は無地のパステルカラーが着たい!」なんて時もありますし、そもそも仕事中は制服なので選べない、という人もいることでしょう。
そんな時は、服の下、インナーで汗染み対策するのも1つの方法。
インナーメーカーも脇汗の悩みに対応したアイテムを沢山開発・販売していますし、特別なインナーでなくても形や素材を上手に選ぶだけで脇汗を目立たないようにすることができるんですよ。
インナーには
- キャミソールタイプ
- タンクトップタイプ
- 半そでタイプ
の3つがありますが、汗をしっかり吸い取ってくれるのはやはり脇に当たる面積が大きい半そでタイプでしょう。
ただ半そでタイプは服によってはラインが透けて見えてしまったり、そもそも半そでインナーより袖部分の短い服を着る場合には適していません。
そんな場合はタンクトップタイプやキャミソールタイプを選ぶしかないんですが、やはり脇汗の吸収能力という点ではどうしても見劣りしてしまいます。
最近ではそんな悩みに応えて、半袖とタンクトップの中間的存在、フレンチ袖タイプのインナーも登場しています。
これならインナーの袖ラインが目立ちませんし、かつ脇汗を吸う面積もあるので安心です。
また脇汗が目立たないインナー素材として、吸収性の良い天然素材を選ぶのもお勧め。
更に抗菌性のある素材だと汗染みだけでなくニオイ対策にもなります。
吸収性の良い素材と言えば綿ですが、速乾性はそれほどでもないので汗を吸収したまま高温多湿の状態になって、雑菌が繁殖してしまう可能性があります。
これはニオイの元になってしまいますから、数時間着っぱなしになるなら吸収性と同時に速乾性があって汗をかいてもすぐに乾いてくれるレーヨンやポリエステル素材を選ぶ方が良いかもしれません。
また少しお値段は張りますが、吸収性も速乾性・通気性にも優れており、尚且つ紫外線カットなどの効果まであるシルク素材もお勧めです。
インナーだけでは防ぎきれない…
インナーの形や素材だけではカバーしきれない!という場合には、各インナーメーカーが開発販売している、汗取り専用インナーを利用しましょう。
タンクトップやキャミソールに脇汗パッドが付いていて、しかもそれが防水布でできていたり一般的なものの約1.2倍の大きさであったりと、優れたカバー機能を付加しています。
備長炭入りで消臭効果も期待できるものや、胸から脇の部分だけをカバーするシークレットインナーなんていうものまであります。
普通のインナーではカバーできない汗っかきさんは、こういったアイテムを試してみると良いですね。
脇汗を完全に抑える方法ならボトックス注射
夏には誰しもじっとりと脇下に汗をかくものですが、その量が多い人は脇汗による服の汗染みが気になりますよね。
目立たない程度であれば良いですが、人によっては脇下がびっしょりと濡れて恥ずかしくて腕を挙げられない!ということも。
脇汗が目立たない服やインナーを選ぶなどの事後対策もできますが、もっと良いのは最初から汗をかかないことでしょう。
実は近年、節電に伴って脇汗対策として脇汗ボトックスを受ける人が増えているそうです。
美容に少しでも関心のある人なら聞いたことがあるでしょう。
この「ボトックス注射」とは、ボツリヌス菌が作るたんぱく質を精製してできた製剤を肌に注射する美容医療で、これまで目尻やほうれい線などのしわ対策としてプチ整形に使われてきました。
しかしこのボツリヌス製剤には交感神経から汗腺へと発せられる発汗信号をブロックする働きもあります。
つまり制汗作用もあるため、脇汗対策として注射を希望する人が増えているのです。
プチ整形としての利用は殆ど女性に限られていますが、脇汗対策としては多くの男性も施術を希望するそうです。
と言うのも、職場に女性が多かったり営業職であったりといった場合に、シャツに大量に汗染みがあると不潔に思われて仕事に差しさわりがでてしまいます。
加えて前述のように節電によって社内が暑いと、汗っかきさんはもう脇下がビッショリ。
ボトックス注射は5~7万円ほどしますが、それで脇汗が目立たないなら、そして業務が円滑に進むなら安いもの、と考えるわけですね。
このボトックス注射による制汗作用は治療後2~3日後に現れ、約4~9か月効果を持続します。
この持続時間や効果の程度にも個人差があるため、注射後全く汗をかかなくなったという人もいれば、時々じっとりと汗をかくという人もいます。
しかし注射前と比べれば汗の量が大幅に改善されたことに気づくでしょう。
ただ、前述の通り効果継続時間にはリミットがあるため、効果が切れたなら再び治療しなければなりません。
ボトックス注射は基本的に自費診療となりますが、多汗症と診断された人の場合には保険適応が認められます。
また妊婦や授乳婦、神経系の病気を持つ人、勿論過去にボトックス注射でアレルギー反応があった人もボトックス注射を受けることができません。
アレルギー反応や副作用の可能性としては、例えば
- 注射部位が腫れる
- 体がだるい
- 脇以外の部位の汗が増える
と言ったことが挙げられます。
多くの場合一時的なものですが、長く続いたり症状が強く出ている場合などには医師に相談するようにしましょう。