寒い時でも汗が出る理由を知ってないと病気のサインに気づけない

病気のサインかもしれない

汗の役割を考えると悩んでいた原因に気づけるかもしれない

汗は体温調節のために大きな役割を果たします。

体が暑くなりすぎると体の中のタンパク質は変質してしまいますし、生命を維持することすら難しくなってしまいます。

ですから夏の暑い日には、人は汗を出して体温を下げようとするのです。

それなのに、暑いどころか寒いと感じているのに汗に悩まされてしまうことがあります。

寒いのに脇汗が出てしまう理由を考えていきましょう。

理由を調べてみると大事なことがわかった

汗には、体温調節のための汗と、精神的な理由で出てくる汗があります。

精神的な影響、多くは緊張状態で出てくる汗は体を守るための機能と密接な関係があり、外敵から身を守るための緊張状態に入ると手のひら、足の裏、脇などから汗が出てきます。

その理由については、

逃げやすいように、あるいは防御態勢を取る時に武器などをしっかり握れるようにするためではないかと言われています。

そして全身から出る汗は、体温調節のためです。

体温が上がりすぎても下がりすぎても人間は生きていけませんから、汗を使って体温を下げ、寒いと感じれば体を温めるため食事をしたくなったり、エネルギーを使いすぎないよう眠くなったりします。

脇の下から出る汗は通常精神性発汗であることが多いです。

また脇の下にはエクリン腺とアポクリン腺の、2種類の汗腺があります。

寒い時でも出てくる脇汗は、精神的なものが原因であれば温度は関係ありませんし、アポクリン腺から出る汗はそもそも体温調節に関わっていません。

脇下の場合エクリン腺とアポクリン腺のどちらから出る汗でも、暑いから、寒いからというよりは精神的な理由で汗が出ることがほとんどです。

そして寒い時に出る汗は、実は匂いやすいものです。

脂汗を流すという言葉がありますが、これは苦しい時などに出る汗のことで、アポクリン腺から出る脂質の混じった汗。

アポクリン腺の数には個人差があり、遺伝も影響していて多いほどワキガ体質となります。

エクリン腺から出る汗は体温を下げる時に出ることが多いので、寒い時には量が減ります。

そして比率的にはアポクリン腺から出る汗が増えるので、寒い時の汗は匂いやすくなります。

それに加えて、寒くなると洋服を着込むことが多くなりますから汗をかいてもなかなか蒸発しません。

夏より粘度の高い汗であること、汗が乾きにくいことが合わさって、寒い時でも脇汗が気になってしまうのです。

寒い季節まで脇汗に悩まされるのはやっかいですが、こまめに汗を拭き取って乗り切ってくださいね。

寒い季節は自律神経が乱れがち

寒い季節は乱れがち
冬なのに、寒い季節なのになぜか汗が出る!という場合には、自律神経が乱れているのかもしれませんよ。

脇汗が増える大きな原因に、自律神経の乱れが上げられます。

ホルモンバランスの乱れやストレスなどでも乱れやすいのですが、寒い季節は温度変化によって自立神経が乱れることがあります。

外は寒く、建物の中は汗ばむほど暖房が効いている場合、家と外を行ったり来たりしていると体が追いつかなくなってしまうのです。

自律神経は体の温度調整にとって重要な役目を果たすもので、暑いと感じれば汗を出し、寒ければ震えることで体温を上げようとします。

そして暑いと感じている時は副交感神経が優位になり、逆に寒い時は交感神経が優位になります。

心臓や血圧、血糖などを調整する自立神経を切り替えるのは体に負担となり、追いつかなくなれば自律神経の働きそのものが上手く行かなくなってしまいます。

安眠するには副交感神経が優位である必要があるのすが、寒い時は副交感神経が上手に働かず、睡眠不足になることもあります。

また血圧が上がりやすくトイレが近くなってしまうので、何度も夜に起きてしまうという人もいるでしょう。

そして寝不足になればさらに体にとってストレスとなり、さらに自律神経が乱れで不調が増えていく、という悪循環に陥ってしまうこともあります。

そして温度差へどの程度対応できるかは人によって異なりますから、同じような環境で過ごしていても平気な人もいれば、強く影響される人もいます。

そして自律神経が乱れやすい要因が他にもある場合はより影響が出やすいでしょう。

その他自律神経が乱れる原因は、強いストレスやホルモンバランス、生活習慣などが原因となることもありますし、生まれつき自律神経が乱れやすいタイプの人もいます。

例えば体の冷えやすいタイプの人は虚弱気味なことが多く、自律神経が乱れやすい人が多いですし、逆に甲状腺の働きが活発すぎる人も自律神経が乱れます。

そして性格的に、神経質な人や、悩みやすい人もそうです。

温度差で疲れやすい人は、自律神経が乱れて脇汗が増えている可能性があります。

誰でもできる温度差対策!今すぐ始めれば楽になるかも

簡単な温度差対策
今すぐできる温度差対策を行って少しでも楽になるよう工夫しましょう。

寒い季節は、とにかく温めることがポイントです。

外に出る時はしっかり着込むこと、お風呂に入って体を温めることなどが手軽にできる方法です。

さらに運動をして体温を上げ、筋力をアップすれば温度差に強い体作りができるでしょう。

寒いけど汗が出る病気もある

病気が原因で、寒いのに汗が出るという症状が出ることもあります。

代表的なものが低血糖です。

低血糖は重症の場合意識障害を起こすほどのものですが、そこまでひどくはない状態の、低血糖症状が現れ始めた段階では多汗と悪寒を感じることが多いです。

低血糖の原因は主に糖尿病の薬によるものですが、糖尿病の治療をしていない人でも起こる可能性があります。

飲酒が代表的な例で、アルコール代謝時にブドウ糖が放出されにくくなるためです。

また通常飲酒は血管が拡張するので血行が良くなり暖かくなることが多いのですが、少量飲んだだけで寒くなる人もいます。

血管が拡張すれば汗は出やすくなりましから、飲酒で寒気を感じる人は寒くても汗が出る可能性はあります。

そして汗が出ればさらに寒くなってしまうわけですね。

アルコールの飲み過ぎは糖尿病の原因になることもありますから、適量を守ることがとても重要なのです。

また、糖尿病で汗の匂いが強くなることが多いので、急に脇汗が気になることもあります。

血糖値は一日中変化しています。

通常健康診断で行う血糖値の検査は、空腹時血糖を計ります。

この時血糖値に異常がなくても、食後に血糖値が急激に上がるタイプの人がいて、このような人は「隠れ糖尿病」と呼ばれます。

尿検査薬はドラッグストアや薬局でも購入できるので、健康診断は大丈夫でも糖尿病かもしれないと思ったら自分で調べてみると良いでしょう。

そして寒くなると、利尿作用が活発になります。

寒い時にトイレに行きくなることが増えるのはこのせいですね。

そして体が水分が不足しがちになって、血圧が上がりやすくなったりむくんでしまったりといったさまざまな症状を起こすこともあります。

脳梗塞や糖尿病、高血圧などのリスクが高くなり、実際発症してしまうとこれらはどれも汗が増えてしまうことがあります。

低血圧気味の人は運動不足で体温が低く、血行が悪くなるので寒いと感じることが多いでしょう。

そして血圧の調整が上手く行っていない場合は自律神経に問題があるので、汗が増える可能性があります。

低血圧であるというだけは病気ではないとされていますが、血圧が低く脳へ運ばれる血液の量が減少する影響で立ちくらみやめまいなどが起きたり、心臓へ運ばれる血液が減って息切れ、狭心症などが起きたりすることもあります。

めまいがしたり、ふらついたりする場合は体質だからとは考えず治療を行いましょう。

そこまでではないという人は、規則正しい生活をして筋力アップを目指し、血行を良くするようにがんばってみましょう。

冷えのぼせって暑いの?寒いの?

冷えのぼせって?
冷え性は、血行が悪くなって体のさまざまな部分、特に手足などが寒いと感じてしまう症状です。

冷えのぼせ

この状態がさらに悪化してしまった状態が冷えのぼせで、体のどこかが暑いのに、どこかは冷えているという状態になってしまいます。

若いうちから冷え性気味だった人が、悪化して冷えのぼせになることも少なくありません。

原因は自律神経系に乱れて、体温調節、発汗がスムーズに行かなくなることです。

ですから、冷えのぼせは寒いと感じていても汗が出てしますということが起こります。

また体感温度と、実際体が冷えているかどうかは異なるケースもあります。

冷たい水で手足や顔を洗ったあとに、その部分が逆にほてってしまったという経験はないでしょうか。

体が冷えすぎると、逆になんとか体温をあげようと体は一生懸命に頑張ります。

その結果体が冷えているのに何故か暑い、逆に寒い気がするのに体は暑いといったちぐはぐな状態になることもあります。

女性に起こる原因はホルモンバランスが影響してる可能性もある

女性の冷えのぼせは、ホルモンが強く影響している場合もあります。

更年期障害はホットフラッシュという体が暑くなってしまう症状が出やすいのですが、女性の場合顔だけがほてっているのに手足は冷たい、お腹やお尻は冷たいままということがあります。

あるいは寒いと感じているのに、足の裏だけが暑いと感じることなどもありますし、脇の下が暑いと感じることもあります。

お腹やお尻は冷たいと感じる人が大半ですが、他の部分を暑いと感じるか冷たいと感じるかは人によって異なります。

女性は生理周期によって体温が変化します。

ホルモンバランスの変化で体温の変化が出て、自律神経が乱れて発汗が起こった場合、寒いと感じていても汗が出てしまうでしょう。

体が冷えるほどPMSや更年期障害が強くなることがありますから、汗が出ていても冷たい部分をしっかり温めましょう。

暑く感じやすい足先や指先、顔などは暖めず、冷たくなりやすいおお腹など内臓はもちろん、足首や手首も温めると効果的です。

冷えのぼせは脇汗だけではなく、さまざまな不調の原因になります。

基本的に冷えのぼせは冷えを解消すれば改善しやすくなりますから、できることから始めましょう。

夏でも冷たい飲み物は避けるようにしたり、シャワーだけで済ませずできるだけ浴槽に入るよう心がけたり(長風呂の必要はありません)、また筋肉を付けたり塩分を過剰摂取しないよう心がけると良いでしょう。

更年期の可能性があれば、まず婦人科に行ってみるのも良いですよ。

寒さと脇汗の関係をまとめてみました

寒さと脇汗の関係
そもそも脇汗は、体温調節のためというより精神的な影響で出ることが多いため、寒いから出なくなるということはありません。

温度には関係なく出やすい汗ですし、また寒い時期に出る汗はサラサラしておらず乾きにくいですし、服を着込むことが多いので蒸れやすくなります。

乾きにくいので脇汗が多いと感じやすく、また匂いも強くなりやすいので寒くても脇汗が気になる人が多いのです。

ただ、寒い季節は自律神経が乱れやすいので、自律神経の乱れによって脇汗が増えてしまう人もいます。

自律神経は体の温度調整にも大きく関係していて、体感温度によって汗を出したり止めたりします。

寒い季節は屋内、屋外の温度差が大きいため負担がかかり、自律神経が乱れる可能性があるのです。

そしてストレスに弱い人や神経質な人、虚弱気味な人などはもともと自律神経が乱れやすいので、温度差によってさらに悪化してしまうこともあります。

繰り返しますが病気による発汗には気を付けて

また病気が原因で、寒いのに汗が出てしまう人もいます。

低血糖は多汗の症状が出やすく、糖尿病は脇汗を不快な匂いにすることもあります。

低血糖は糖尿病の薬を飲んでいない人でも起こる可能性があり、例えばアルコールの飲み過ぎなどでも起こります。

低血圧の人は体質的に冷えを感じやすい人が多いのですが、低血糖が続くと汗が増える脳梗塞や糖尿病などのリスクを高めます。

冷えのぼせという冷え性の一種は、体の一部分は冷たく、一部分は暑いと感じる症状のことです。

例えばお腹や手足は冷えているのに、顔だけはほてっていて汗が出てきたり、寒いと感じているのに足の裏や脇の下だけが暑く汗が出てきたりといった症状が出ることがあります。

冷えのぼせの原因は自律神経の乱れと冷え性で、特に女性がなりやすく更年期が影響していることもあります。

もともと更年期はホルモンバランスが乱れやすい時期で、女性ホルモンは体温調節にも関係しているからです。

寒いのに脇汗が増えたと感じたり、匂いが強くなったりするのは不思議なことではありません。

ですが寒さによって自律神経が乱れたり、病気が原因で寒いのに汗が増えてしまったりする人もいます。

低血糖や糖尿病は汗が増えたり、脇汗の匂いを不快なものにしたりますし、冷えのぼせによって、冷えと暑さを一緒に感じることもあるのです。

寒い時期に脇汗の量や匂いが気になっても、それだけでは問題ありません。

ですが他にも気になる症状があればクリニックを受診しましょう。

寒い時に出る汗が病気のサインという可能性もあります。