汗のかき方で病気が分かるのは知っていますか?
もっとも一般的な病気は「多汗症」ですが、それ以外にもいろんな病気が知らないだけで潜んでいます。
なかには危険性の高いものもあり、デオドラントなどで汗を抑制してしまうと症状に気づきにくい場合もあるので注意が必要です。
多汗症ってどんな病気?特長と分類を調べてみた
多汗症といってもさまざまですが、分類すると全身性と局所性があります。
全身性は少なく、どちらかというと局所性に多いのが特徴ですが、遺伝的なことが多いと言われています。
さらに原因を分けると、病気に合併して起きるものと、原因不明なものになります。
前者は「続発性」、後者は「原発性」です。
続発性多汗症の場合、全身性の原因は薬剤性や薬物乱用、また循環器疾患や呼吸不全、そして感染症や悪性腫瘍などをはじめ、内分泌代謝疾患や神経学的疾患なども挙げられます。
局所性は、脳梗塞や末梢神経障害、代償性発汗やFrey症候群などとなります。
多汗以外に、動悸や呼吸困難、咳などが出る場合はそのままにしておくと病気の発見・治療が遅れてしまう可能性が高いので、多汗症だからといって油断は禁物です。
- 甲状腺機能亢進症
- 更年期障害
- 感染症
- 褐色細胞腫
- 低血糖
などが挙げられます。
甲状腺機能亢進症は、汗によって甲状腺を攻撃する病気です。
それにより、バセドウ病や慢性甲状腺炎などを引き起こすことになります。
治療は、代謝内分泌内科で行います。
更年期障害は、多くの女性が発症しますが、30代半ばから徐々にエストロゲンが減り、その変化によって自律神経のバランスが乱れ、さまざまな症状が引き起こされます。
その中の一つが多汗症なのです。
この場合は婦人科が専門で、ホルモン補充療法などが行われるでしょう。
感染症は、菌やウイルスなどが感染した場合に発症します。
発熱や倦怠感なので分かりにくいですが、多汗をきっかけに判明することが多いでしょう。
治療は、内科で行われます。
褐色細胞腫は、副腎に腫瘍ができ、カテコールアミンが過剰に作られて起こります。
多汗症以外にも、高血圧や糖尿病なども代表的な病気です。
代謝内分泌内科が専門になり、腫瘍摘出を主に行います。
低血糖は、70mg/dL以下になることで交感神経が活発になり、多汗を引き起こします。
冷や汗や手の震え、頻脈といった症状が出るのが特徴です。
このように、ただ汗をよくかくからといって安易に考えることはできません。
原因が精神的なことや暑くないときでも汗が出る場合は要注意です。
制汗剤などで一時的に汗やニオイを抑えることはできますが、それでも汗が止まらない場合はきちんと専門医に診てもらったほうが良いでしょう。
教えてください、汗による病気は治るのでしょうか?
これまでに挙げたように、汗による病気といってもさまざまです。
そのため、必ずしも病気は治ると断言はできません。
また多汗症の場合でも、軽度と重度ではずいぶん違います。
軽度であれば治る場合がありますが、重度の場合医は残念ながらセルフケアでは治すことは困難でしょう。
ですから、汗による病気は治るのかというと、
- 個人差がある
- 病気の種類によって異なる
と思っておいてください。
多汗症は、専門医で検査を受けることができます。
問診と症状から診断し、重症度を判定していくことになるでしょう。
次のうち、2項目以上当てはまった場合は多汗症を疑ってください。
- 最初に出た症状が25歳以下
- 左右対称性による発汗
- 睡眠時は発汗していない
- 1週間に1回以上多汗がある
- 家族歴がある
- 生活に支障が出るほどの多汗
さらに、重症度は、
1. 発汗は全く気にならない。生活に支障も出ない、
2. 我慢できる程度の発汗で、生活に時々支障が出る
3. ほとんど我慢できないほどの発汗で、生活に頻繁に支障が出る
4. 発汗を我慢できず、生活に支障が出る
など何れかによって、軽度・重度が分かります。
多汗でも生活に支障が出ないレベルであれば、特に治療を受けなくても大丈夫と言われていますが、生活に支障が出てしまう場合はやはりきちんと治療を受ける必要があります。
そして、重度の場合は、治療を受けないと病気の治る可能性は低いでしょう。
また、前回述べたように多汗症の種類によっても変わってきます。
全身性でも原因になる疾患がない場合は大きな心配はいりませんが、続発性全身性多汗症といって、循環器疾患や感染症などがある場合は治療を受ける必要があります。
局所性の場合、体の一部に多く発汗するものです。
脇汗がひどい人や顔汗など集中して汗をかく場合、このケースが多いでしょう。
頭皮や顔面は一日中発汗が継続する場合もあると言われています。
病気である以上、重症度によるとはいえやはりきちんと医師に診てもらい正しい治療を受けることが大切です。
一般的には
- 外用薬・内服薬
- 交感神経切除術
- ボトックス注射
などが挙げられます。
外用薬はいわゆる制汗剤で、病院から処方された場合は塩化アルミニウム外用液になります。
軽度であれば病気は治ることが多いでしょう。
内服薬は、外用薬やボトックス注射などが無効な場合に用いられます。
交感神経切除術は、その名のとおり交感神経を切り取る方法です。
交感神経からの神経伝達物質を遮断することで、発汗を劇的に抑えることができるといわれています。
医者の見解はどうなのか確認してみた
多汗症の場合、重症度に関係なくきちんと医者に診てもらうことで早期治療、早く改善することができます。
というのも、多汗症はセルフケアでは改善されないからです。
また多汗の種類によっては他の病気を引き起こしている危険性もあり、病気の発見・治療は自己判断ではどうしようもできないでしょう。
医者の見解でも、「汗治療の効果で手術に勝る者はない」とあります。
医者によって多少見解は異なりますが、やはりきちんと治療を受けることでしっかり解決してくれるというわけです。
近年は、医療技術が高まっていて、同時に多汗症の治療も進んできていると言われています。
ひと昔前は保険適用外になることが多かったようですが、保険が適用されるところも増えてきました。
保険が効けば治療費も安くなりますし、万が一のときでも安心です。
費用に関しては全額的に3割負担で済むと言いますから、とても助かります。
そういったことも相まってか、最近は汗治療を行う人が増えているのです。
ですから、医者の見解に従い、汗で悩んでいる人はきちんと病院で検査と診断を受けることが大切です。
もしかしたら、多汗以外の病気が見つかることもあるかもしれません。
早期発見で病気の進行も抑えられる可能性もあります。
ただボトックス注射に関しては、薬を取り寄せる際に患者さんの同意書が必要です。
また保険医療用ボトックスを販売しているGSK(グラクソ・スミス・クライン)に発注する必要があり、別日に施術を受けることになります。
いささか複雑な手順であるため、治療法のなかでは不評です。
病院やクリニックによって異なるかもしれませんが、多汗症はきちんと治療を受けたほうが良いとはいえ、その治療法はきちんと考える必要があるでしょう。
ちなみに、汗治療は皮膚科が専門になります。
軽度であれば外用薬などで改善できますが、ひどい場合や他の治療法で効果がない場合は内服薬を使用します。
主に処方されるのは、抗コリン薬や漢方などです。
抗コリン薬のすごいところは、薬が効いているときは汗をかかないことです。
多汗症でしたたるほど汗が出る場合はとても役に立つでしょう。
ただ、体液の分泌全体が抑えられてしまうため、目が乾く・口が乾くといった副作用が出てしまいます。
重度の場合は、前回も述べたように交感神経切除術で交感神経からの神経伝達物質を遮断します。
ボトックス注射も神経伝達物質をブロックする作用がありますが、前述したようにデメリットが大きいため人気がありません。
なぜ汗をかくだけなのに嫌なにおいがするのでしょうか?
辛いものを食べて汗が出る場合や暑くて汗が出る場合と、ストレスや緊張によって出る汗ではにおいも違います。
同じ汗なのに、なぜにおいが出る場合とそうでない場合があるのでしょうか?
そして、なぜ嫌なにおいがするのでしょうか。
それはズバリ、自律神経のバランスが大きく関係しています。
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があるのは知っている方が多いと思いますが、同じ神経でもリラックスしているときに活発になるものと緊張やストレスなどによって活発になるものに分けられます。
嫌なにおいがするのは交感神経が活発になっている証拠で、過度なストレスや緊張を受けてしまうと、交感神経が優位になり自律神経のバランスが乱れてしまうのです。
また、交感神経が優位になると男性ホルモンの分泌も増えます。
そういったさまざまなことが原因で、同じ汗でも嫌なにおいがする場合とそうでない場合があるのでしょう。
そもそも、汗は無臭です。
それは汗の99%が水分であることが関係しています。
水分以外の成分はほとんど塩分になるため、乾いたときに白い跡が残る、なめるとしょっぱく感じます。
ちなみにもう少し詳しくいうと、
- カリウム
- マグネシウム
- 亜鉛
- 鉄
- 重炭酸イオン
- 乳酸
- 尿素
老廃物も含まれています。
もともと無臭の汗ですが、いろんなストレスや緊張などで交感神経が優位になることで皮脂や垢などが混ざり合い、細菌が分解することで嫌なにおいを発するようになってしまうのです。
このように嫌なにいがする汗をひと言でいうと「悪い汗」になります。
悪い汗をかくと、汗の量に限らず臭くなってしまうでしょう。
良い汗であれば、たとえ大量に汗をかいていても特別におうことはありません。
良い汗を流すことが一番ですが、ツンとくるような悪い汗が出ている場合、心理的なことが原因になっているため「心理的療法」が有効になります。
自律訓練法なども適しているでしょう。
クリニックに「体臭外来」がありますので、専門医に相談してみるのも良いかもしれません。
またにおいが発生している場合、ミネラルが体内から多く出ていることになります。
熱中症や慢性疲労の原因にもなりますので、特に夏場は十分注意してください。
ちなみに、汗の悩みは男性特有のものと女性特有のものがあります。
もちろん男女とも過剰な汗やにおいが気になる汗は悩みになりますが、それぞれ違った悩みを抱えると言われているのです。
次では、男女それぞれの汗の悩みについて説明します。
男性特有の悩みでお困りの方
汗の悩みは男女で異なる場合があります。
特に男性は女性に比べ汗をかきやすい人が多いため、悩みを抱えている人は少なくありません。
脇汗をかいてしまった日には、電車に乗りたくない人もいるはずです。
また汗によってニオイが気になる男性も多いでしょう。
ちなみに、男性にも汗をかきやすい人とそうでない人がいますが、汗をかきやすい人は単純に男性ホルモンが多いと言われています。
男性ホルモンが多いので皮脂分泌も多く、男性特有の悩みを抱えやすいでしょう。
- ニオイ
- テカリ
- 顔汗
です。
前述したように、汗をかきやすい男性は、男性ホルモンや皮脂分泌が多いので、どうしてもニオイやテカリが気になってしまいます。
しかも顔汗も多いので、顔が汗でテカテカになってしまうと、やはり周囲の目を気にする男性は少なくありません。
そのうえニオイもプラスされると、自信喪失になってしまう恐れも……。
汗をかきやすい季節になると、外出するのが憂鬱になる男性も多いのでは?
男性特有の悩みの解決方法はコレ・・・
では、どうすれば男性特有の悩みを解消することができるのでしょうか。
まず、清潔にすることを心がけましょう。
毎日きちんとお風呂に入るだけでなく、汗を抑える制汗剤などを使ってみてください。
近年は男性用の商品も売っているので、男性ならではの汗の悩みもしっかり解決してくれます。
制汗剤などはニオイも抑える効果があるので一石二鳥です。
おすすめの商品は、メンズ用の制汗剤です。
最近はいろんなメンズ用制汗剤がありますが、厚生労働省が認めた商品は高めですが、一度塗れば夜までしっかりケアしてくれます。
口コミランキングでNo.1の人気商品もやはり価格は高いのですが、ジェルクリームタイプで使いやすいのがポイントです。
ドラッグストアでも購入できる制汗剤もあります。
価格もお手頃で、男性に多い汗によるニオイを発生源から極限まで抑えてくれて、高い抗菌力がしっかり持続します。
男性の場合、女性よりも汗をかきやすい人が多いですから、状況に合わせて制汗剤を選ぶと良いでしょう。
汗をかきやすい季節は、デオドラントシートなどを持ち歩くのも良いかもしれません。
「制汗剤なんて女性がするもの」という時代はもう終わりです。
汗やニオイで悩んでいる男性は、ぜひ男性用制汗剤を使ってみてください。
それでも症状が良くならない場合は、専門医に相談するのがベスト。
自分では解決できないこともきちんと相談に乗ってくれます。
女性特有のこんな悩みをもってませんか?
- 服の汗じみ
- ニオイ
でしょう。
ニオイの悩みは男女共通しており、女性ほどやはりニオイを気にする人が多いようです。
大量に汗をかいてしまうのももちろん悩みですが、それによって汗じみができ、ニオイが気になると外出も億劫になってしまうかもしれません。
夏になると、汗脇パットが欠かせないという方も少なくないのでは?
まったく汗をかかないのも問題ですが、汗をかきすぎて悩みになってしまうのは避けたいところです。
そんな女性特有の悩みを解決するには、先ほども述べた「汗脇パット」をはじめ「制汗剤」や「デオドラントシート」などが挙げられます。
一時的ではありますが、効果があるので安心して外出することができます。
また女性の場合、ホルモンバランスの乱れも汗やニオイに関係していると言いますから、日頃から食事や睡眠、適度な運動などを意識することも大切でしょう。
年齢によっては更年期症状の一種でもありますので、40歳以上で汗やニオイの悩みを抱えている人は一度専門医に診てもらうと安心です。
女性特有の悩みの解決方法はコレ・・・
女性特有の悩みを解決してくれるおすすめの商品は、100%天然成分で敏感肌でも安心して使うことができるもので、ブライトニング効果もあるもの。
黒ずみなども軽減できるでしょう。
日中はもちろんのこと、プレケアやアフターケアとしてもおすすめです。
価格は少し高くなりますが、ロールオンタイプで使いやすいものもあります。
無添加処方なので肌への負担が小さいのも嬉しいところ。
- ワキガの原因をブロック
- ニオイの原因菌を99.9%殺菌
- 美容成分配合など
市販で買えるものでしたら、手軽に使えるデオドラントシートも人気です。
ドラッグストアをはじめスーパーやコンビニなどにも売っているのですぐに手に入れることができます。
デオドラントシートはサッと拭き取ることができるので、夏場など重宝しそうですね。
汗じみは、前述したとおり汗脇パットなどが有効ですが、なかでも肌や衣類に直貼りできるものはピタッと密着しているのでズレることもなく安心です。
透明タイプや肌色に近いベージュタイプもあり、目立ちにくいのも嬉しいでしょう。
食生活では、大豆製品を積極的に取り込んで、野菜やお肉のバランスを考えて、高カロリー・脂質・糖分などが多いものは避けてください。
適度な運動もおすすめです。